薬師と思獣~第1話
心究の時効事件が動き出す!
悪魔と子供~薬師と思獣~
第1話…誇りと免疫
死夢現間の話の数日前(四情狩林の主人公が交通事故に遭った日)――
特殊制裁班本部では心究と淨櫳、鏡魔の三人だけだった。
(心究)「徳魔と天雲がアメリカに行って3カ月経った…それに地泉は風柾家と一緒に京都に行って来週まで帰って来ないからなぁ…」
(淨櫳)「そう言えば…徳魔が行く前に聞いたけど…あいつ等を監視している気配があるらしいな」
(鏡魔)「それに関しては…雪ちゃんも言っていたわ」
その時、心究の携帯電話が鳴った。
(心究)「? もしもし…」
心究は電話に出た。
(心究)「…了解しました。直ぐに行きます!」
心究は電話を切った。
(心究)「淨櫳! 高速系の思獣を呼び出してくれ! 命に関わる事だ!」
(淨櫳)「わ、分かった!」
心究と淨櫳は特殊制裁班本部を出た。
(鏡魔)「行ってらっしゃい…さてと、私は…」
鏡魔は逃法犯認証係の部屋に入って行った。
それから5分後、心究と淨櫳は辰岐摩病院の裏口の少し離れた場所に居た。
(心究)「淨櫳…有難う」
(淨櫳)「良いから急げ!」
(心究)「あぁ」
心究は病院に向った。
(医師)「済みません急に呼び出して」
(心究)「いや、大丈夫です! 俺達は暇な部署だから特に今回の様な事は稀ですからね」
心究は手術室に入って行った。
(心究)「この子か」
(先生)「はい」
(心究)「任せなさい」
心究は青年の内臓を見た。
(心究)「ふむ…ふむ…成程ね」
(心究)(致命傷は避けているな!)
そうすると心究は青年の肩に手を置くと青年の内臓が見る見る修復されていった。
(助手の一人)「どう言う事?」
手術室にいる助手たちは内臓が修復されていくのに驚いていた。
(心究)「はい、終了」
心究は青年の内臓を五分以内で全て修復させた。
(先生)「有難うございます!」
医師は匠に頭を下げて礼をした。
(心究)「よして下さい この手術は貴方が成功させた事となり俺は此処に居なかった…と言う筋書きなので堂々としていて下さい」
(先生)「はい!」
どうやら心究は医師が救いたいが今の実力では救えない者を助けたらしい。
(心究)「では、彼の仲間達にお伝えて下さい…それと、患者は一ヵ月の間は絶対に安静にさせる事を御忘れずに」
(先生)「分かりました」
(心究)「もしも、無理をすれば体が更にボロボロになる可能性がありますのでくれぐれも気を付けてください」
(先生)「はい!」
心究は手術室から出た。すると、青年の友人と目が合った。
(心究)「君は?」
(青年の友人)「水楽 丹波です」
(心究)「そうか、君が…」
(心究)(一ヵ月前に聞いた…メンバーの一人か…)
(水楽)「?」
(心究)「そうだ、友達は助かったけど一ヵ月は絶対に安静にしといた方が彼の為だ。彼から目を離さない様に他の皆にも伝えといて下さい」
(水楽)「わ、分かりました」
水楽は心究の言葉を聞いた。
(心究)「じゃあね」
(水楽)「はい」
心究は水楽と別れて病院を出た。すると、心究の背後から声がした。
(ブエル)『良いのか、例の話をしなくて』
(心究)「良いの、良いの、例の件は彼らにも極秘事項だから今は僕達、【特殊制裁班】とごく一部の人間のみだから他の人間には絶対に情報を教えてはならないからね…それはこの情報が伝えられた時に知ってるでしょ…ブエル」
(ブエル)『そうだった、忘れてたよ』
すると、後ろから心究に声を掛ける看護婦がいた。
(女性の声)「タクちゃん!」
心究が後ろを振り返った。其処には一人の女性が立っていた。
(心究)「久しぶりだな…復実」
心究に駆け寄って来たのは心究の恋人の臓 復実だった。
(心究)「如何した?」
(復実)「タクちゃんにこれを渡したくて」
復実は心究に封筒を渡した。
(心究)「これは?」
(復実)「タクちゃんの時効事件の犯人かもしれない人物のファイルよ」
(心究)「!」
心究は封筒を開けて中身を確認した。
(心究)「如何して?」
(復実)「タクちゃんと別れた後に慎重に調査をしたの…」
(心究)「お前なぁ…無茶をしやがって」
(復実)「貴方の為なら無理だってするわよ…だって…タクちゃんの事が大好きだから」
(心究)(…俺はお前が危険な目に遭うのが心配だよ!)
(心究)「…まぁ、助かったよ…有難う」
(復実)「どう致しまして…それと」
(心究)「何だよ?」
(復実)「明日、休日だから久しぶりにデートしてくれる?」
(心究)(5年振りだからな……)
(心究)「…分かった…明日、デートするか」
(復実)「有難う…じゃぁ、待ち合わせ場所は…布田天神の鳥居で!」
(心究)「あぁ」
そうして心究と復実は別れた。
(心究)(…布田天神か
特殊制裁班本部では心究が復実から貰った封筒を開けて読んでいた。
《…名は宇西 武師生年月日は申年7月6日…経歴…医闘高校卒業後、東京医高大学に入学し4年で卒業後、辰岐摩病院で5年間勤務、その後は消息不明…補足…高校時代に辰岐摩病院で勤務していた経験がある。勤務態度は非常に良く、手術には助手として100回以上経験していて担当医師としては2千万を超える手術を行い全ての手術を成功している。辰岐摩病院を退社してからの消息は不明。風の噂では色んな病院を転々と変えているらしい。そして、今年に入って調布駅での目撃情報有り。》
と書類には記載されていた。
(心究)「…情報が確かなら復実に危険が…」
(鏡魔)「…そう思って既に監視に入っているわよ」
鏡魔が逃法犯認証係の部屋から出て来た。
(心究)「…タイミング良いな?」
(鏡魔)「私って医闘高校に居た時に後輩の復実ちゃんに部活への勧誘をしていてね …その時に『大切な人が標的にしている人間を探しているのでお断りします』と言われて私もこっそりと探していたけど復実ちゃんの方が先に見つけてね …それでツッチーに監視を任せていたの」
(心究)「裏表 壊新か…まぁ、あいつなら良いか」
(鏡魔)「でも、ツッチーは現在、徳魔君達と一緒にアメリカに行っているから復実ちゃんの監視は不可能だったからもう一人の私と同級生だったフェンリルに復実ちゃんの監視を頼んどいたのよ」
(心究)「そうか…一安心だ」
その頃、淨櫳は幸葬寺にいた。
(淨櫳)「住職…例の物は?」
(住職)「こちらに…」
淨櫳は住職に案内されて幸葬寺の地下にある鍵付きの扉(縦3m×横6m)の前に案内された。
(淨櫳)「ここが…」
(住職)「はい…不思議な事が今も起きています」
住職は扉の鍵を解くと扉を開けた。
(淨櫳)「これは!?」
(住職)「遥か昔に描かれた絵です」
淨櫳と住職の前には縦3m×横6mの絵画があった。
(淨櫳)(上全体は死後の世界が描かれていて…右下には建物と腕に刃があり頭以外は鱗で覆われていて頭は鱗が無い化け物が数十体…左下には地面や建物内に倒れている人達…)
(淨櫳)「それで不思議な事とは?」
(住職)「あそこです!」
住職は絵画の下右に存在する建物を指した。
(淨櫳)「確かに…建物が光ってる…」
(住職)「…一度だけこの絵を科学的に鑑定しましたが今の技術では不可能な仕組みらしいのです」
(淨櫳)(…って言うか住職が科学的に検証するとは本末転倒だな …それにしても、今の技術では不可能な技術か この日本に今の技術を超える高度な文明が存在したのか…)
(淨櫳)「…でも、光っているだけじゃぁ…」
(住職)「先祖代々、伝えられて来た事ですが『この絵の下右の建物が光り出したら注意せよ!』と言い伝えられてきました」
(淨櫳)「先祖代々ねぇ 一つ尋ねますが貴方の先祖は一体何者ですか?」
(住職)「確か…この地方の何所かにある村の監視をしていた一族と聞いております」
(淨櫳)「…そうですか」
(住職)「本題に戻りますが…右下に描かれている生物について知りませんか?」
(淨櫳)「…流石に見た事は無いですねぇ! …だが、これが実際に存在したのなら何か嫌な雰囲気になるのは間違いないですね」
(住職)「…と言いますと?」
(淨櫳)「左下には人達が倒れていて右下には謎の生物が何所かに行進している様にも見える …察するに危険を意味している …これ位しか分からないです」
(住職)「…そうですか」
淨櫳と住職は絵画を考えながら見ていた。
そして、徳魔達はアメリカのホワイトハウスの地下に存在する特殊制裁班の支部で揉めていた。
(徳魔)「だから! 俺一人で行くから此処で待っていろ!」
(天雲)「いや! 私も行く!」
(徳魔)「無茶を言うな! 俺がお前の親父達を助けに行ってくるから!」
(天雲)「それで徳ちゃんが居なくなるのが嫌なの!」
(徳魔)「だったら、誰がお前のお母さんを護る!」
(天雲)「それは…」
(徳魔)「テロリストの狙いはなぁ…俺が君等天雲家と一緒に出て来るのを待っている! 俺と雪は銃弾を受けても死ぬ事は無いがお前のお母さんは普通の人間だ! 死んでしまう! …それに裏表さんも一緒に居てくれるから心配はしなくて良い!」
(裏表)「俺がお二人を護りますよ」
(徳魔)「裏表さん、頼みます!」
徳魔は特殊制裁班支部から出て行った。
(天雲)「……」
天雲は心配な表情だった。
その一方で地泉は風柾家の実家にいた。
(地泉)「俺もお邪魔して良かったのですか?」
(角花の祖母)「構いませんよ」
(角花の祖父)「息子がお前さんに孫娘を託したのだからな…」
(角花)「お兄ちゃん! ゲームしようよ!?」
(地泉)「ああ……!」
地泉は不穏な空気を一瞬だけ感じた。
(地泉)(今の……気のせいか…)
(角花)「どうかした?」
(地泉)「いや、何でもない」
地泉は不穏な空気を感じたのは気のせいだと思い角花とゲームを始めた。
そして、特殊制裁班本部では――
(心究)「何か胸騒ぎがする」
(鏡魔)「胸騒ぎって?」
(心究)「分からない…だが、この東京で何か大きな出来事が起きる様な嫌な空気が流れている…」
(鏡魔)「そう? 私は調布の監視に戻るわね」
(心究)「あぁ、頼むよ」
鏡魔は逃法犯認証係の部屋に戻った。
(心究)「さてと、俺も巡回に行くか」
心究は特殊制裁班本部を出た。
心究の事件と死夢現間は関係を持つ事を心究自身は知らずにいた! そして、事件は大きく動き出す!
悪魔と子供~薬師と思獣~第1話 完
悪魔と子供~薬師と思獣~第2話 続く――
これは日本の大事件が起きる前兆を予期していた! 心究と日太達は先に出合っていた! 淨攏は死夢現間の最初の事件を予期する壁画を見ていた!




