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愛☆ぷち

作者: 永遠愛




あたしは、アイプチ命女だ。 






【愛☆ぷち】







あたしの彼は、目がパッチリした女の子が好き。 



「やっぱなーこの子可愛いよなー!」


ほら。 

今だって街で見かけた某アイドルのポスターを見てこう言ってる。


もちろん、この子は目がパッチリしている。


「まあ、一番可愛いのは俺の菜々だけどねー♪」


そう言って、彼、悠斗(ゆうと)は笑顔で肩に手を回してきた。 


「…ありがと」


複雑だ。 

果てしなく複雑だ。 


あたしだって、彼の好きなパッチリ二重だ。 


だけど、それは魔法。 



メイクという名の魔法。



「あ…っあたし…!ちょっとトイレ言ってくる…っ」


「え…菜々?」


あたしは急いでトイレに駆け込んだ。 



…まずい、もう5時間経つ。



あたしは、急いでメイク道具の中からアイプチを取出し、とれかけたアイメイクを直す。 


今、あたしが使ってるこのアイプチ。


これがあたしにはベストで、よくまぶたがくっつくんだけど…


約5時間しかもたないんだ。




そう…あたしは彼の好みの顔になりたくて、彼に好かれたくて…



幼い頃からの、この線のような一重の目を、アイプチして二重にしてる。 


悠斗には、一度だってアイプチ使用前の顔は見せた事がない。 


プールに行ったら絶対にゴーグルを外さないし、


一緒に寝た時なんか 

絶対に悠斗よりも早く起きてメイクする。 


とにかく絶対にバレたくない。 




「お待たせ!」


バッチリ二重になった事を確認すると、あたしは平然を装い、悠斗の元へ向かう。


「おー、何だよ?急に。う○こか?」


「やっ…やだ!そんなわけないでしょ!」



はあ…。 


急いでトイレに駆け込んで、しかも出てくるまで長いから必ずう○こだと思われるし…。 



「じゃあ映画でも見っか!」

「あ…うん!」



でもこの線のような目を見られるよりマシだもんねっ…!




「あー…映画おもしろかったね!」


あたし達が見た映画は、テレビCMがガンガン流れてる話題作のラブストーリー。 


思ったほどではなかったけど、それなりに感動するものだった。 



「そうかあ?てかあの女優何?よくあんなんでヒロイン役もらえんな」


「え…そう?可愛いかったじゃん」


「いやー、俺あの子好きじゃねえや」



ズキ…! 



…ヒロイン役の子…


素朴な感じの一重だった…



「菜々?どしたん?下向いて。具合悪い?」


「え…!ううん!大丈夫っ…」



やっぱり…


一重は嫌なんだね…





「そっかー?なあ、今日何もないよな?うち泊まってけよ」


「…うん」


改めて思った。 

絶対、言えない。 








「先風呂使えよ。タオル置いとくから」


「…うん」


せっかく悠斗ん家に泊まりに来たっていうのに…


テンション下がりまくりだよ…


あたしは服を脱いで、使い慣れたこの家のシャワーを手にとった。 


シャ――…




ああ、魔法がとけてく。


線の目の、醜いあたしになる…。 



そう思っていた瞬間――




「菜ー々♪」


!? 


「悠斗!?何して…っ」



悠斗がお風呂に入ってきた。


「えー?だって風呂一緒に入った事ないじゃん?今日こそは♪」


「ちょっ…!出てって!」


まずい…

これは最高にまずい…!



今まで何度となく悠斗に一緒に入ろう、と誘われても頑なに断ってきた。 


…何でって?


もちろんバレるから! 


こんな明るいとこで 

思いっきりすっぴんで…


まずい…! 



「わ…!ちょ…!」


「早く出てって!」


あたしはグイグイと悠斗を外に押し出した。 


「菜…!」


「悠斗のばかあ!」


悠斗が外に出たことを確認すると、急いでお風呂のドアを閉めた。 


ごめん…

ごめんね、悠斗…





お風呂から上がり、お風呂の隣にある洗面所でバッチリメイクをすると 


怒っているであろう 

悠斗の部屋へ向かう。 


「悠斗…?」


あたしはゆっくり悠斗の部屋のドアを開けた。 


「…………」


案の定、怒っていた。 

返事は返ってこない。 


部屋は真っ暗で 

悠斗の姿は見えない。 


「…電気つけるよー?」


パチッ 


部屋の電気を付けると、ベッドで仰向けになっている悠斗の姿があった。 




「悠斗…?ごめんね、怒ってる…?」



そっと、悠斗のそばに駆け寄ると―――



「…―…んっ!」



腕をつかまれ、無理矢理キスされた。 



「んん…っ!」


苦しい…!

こんな荒いキス初めて…!


息出来ないよお…っ! 



「いや…!」


ドン! 


とうとう酸素が足りなくなったあたしは、悠斗を突き飛ばしてしまった。 


「あ…悠斗…ごめ…」


「………んで?」


「…え?」


床に倒れこんだ悠斗の口から、小さく何か聞こえる。 


「…んでなの?」


「ゆ…うと?」


見た事のない、悠斗の顔だ。

捨てられた仔犬みたいな…


「…っ!今日俺楽しみにしてたのにさ!何かずっと菜々ため息ついてるし!」


「あ…」


「風呂も絶対拒否られるし!」


「………」


「キスも突き飛ばされるし?」


「ちが…!」


「結局好きなの俺だけなの!?」


「………」


ちがうよ 


ちがうのに…



「何も言わねえんだな…」


部屋から出てく悠斗。 



このままでいいの? 


誤解を 

解かなくていいの…? 




…どうせ嫌われるなら!



「悠斗!待って!」


急いで追い掛けて、お風呂に入ろうとする悠斗を呼び止めた。 


「…あ?」


「ここで待ってて!」


あたしは持ってきた荷物からメイクおとしを取出し、


魔法を―…といた。 






「…悠斗っ!見て!これが、本当のあたしっ!」



見て 悠斗 


これがあたしだよ 


悠斗が好きな二重とは正反対な…これが本当のあたし。 


「…………」


振り返った悠斗は唖然としている。 


「これがあたしなの…!ずっと…悠斗が二重の女の子好きだから言えなかった…。本当は…こんな線みたいな目だってこと…」


「………」


あー…

泣きそう…


「お風呂拒否ったのも一重だってバレたくないからだし、キスは息が苦しかっただけだし、今日うわの空だったのは…」


「………」


ダメだ…!

泣く…!


「悠斗がっ…!映画のヒロイン役の一重の子…可愛くないって言ったから…っ!」


堪えきれなくなったあたしの想いは、涙と一緒に外に出た。 


立ち尽くしている悠斗。



本当に…終わりだ…



あたしが別れを覚悟したその瞬間、  



フワ…



「…え!?ちょっと、悠斗!?」


悠斗に、抱き締められた。 




「…菜々…可愛いすぎ…」


「え!?」


ため息混じりの、悠斗からの思いがけない言葉。 



「…俺ね、別に二重が好きなんじゃないよ」


「へ!?うっ…うそだあ!だって…悠斗が可愛いって言う子みんな二重だよ!?」


「たまたまだろ?二重の子が好きなんじゃなくて、俺は笑顔が可愛い子が好きなの」


笑顔が…可愛い子…? 


「でっ…!でもでも…!映画のヒロインの子は!?」


「ああ、あの子は別に…顔がどう、とかじゃなくて、セリフ棒読みだったからさ」


「…なんだあ〜」


気が抜けたのか、あたしはへなへな、と床に座り込んだ。 


「…それに、菜々十分可愛いよ?」


「…そこまでゆわなくていーよ」


あたしがプイ、とそっぽを向くと、 


チュ…


悠斗は、優しいキスをした。 


「本当だよ?実は俺、菜々に一目惚れだったんだ」


「え…でも二重の菜々に、でしょ?」


「ううん?菜々の笑顔に♪」



あたしの…笑顔? 


「菜々の、思いっきりくしゃって笑う顔が好きになったの!…信じてくれる?」


…ずるい


「…うん」


そんな優しい顔されたら信じちゃうよ…




「て♪ことで!」


「?」


バサ! 


あたしはいきなり服を全部脱がされた。 


「なっ…!何す…っ」


「もう何の問題もないよな?風・呂♪入ろーぜ」


「え…あの…ちょ…」


悠斗はいきなりいたずらっ子のような顔であたしをお風呂に入れた。


「悠斗…っ」


「こんだけおあずけくらったんだ。いいだろ?」


…ずるい 


ずるい 

ずるい 

ずるい 




「…いーよっ」


いじわる悠斗。 







…大好き。 


【終】



ハイ、文章ひどい〜(∀)もう文才なさすぎッすね↓ちなみに内容の方なんですが、これね、あたしの悩みでもあるんですね〜(-д-)あたしも一重で↓自分の気持ちを菜々にかぶらせてみました★笑!感想、お待ちしてます♪

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― 新着の感想 ―
[一言] 女の子の悩みが、良く伝わってくる作品ですね。 主人公の奈々ちゃんの必死さが、いじらしいです。 文章に関しては、だいぶ改善されていると思いますよ。 今回も楽しく読ませていただきました。ご馳走様…
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