表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

最愛の人〜嘘の交際を持ちかけましたが、私の勘違いでした〜

作者: 漆原 凜
掲載日:2026/05/28

おめでとー!すぐ近くで様々なお祝いの声が聞こえる。親友であるアンリエッタの結婚式に来ている。新郎のレナード様も学生時代の同級生だから参列者は見知った顔が多い。幼い頃から婚約していた2人は仲睦まじく皆の憧れだった。


「アリー!来てくれてありがとう!これアリーに!」


アンリエッタが幸せいっぱいの顔で側に来てブーケをくれる。次はアリーの番だね!ライとの結婚式には呼んでね!と。ブーケを受け取りありがとうと伝えると、次の友人のもとへ移動していった。


そんな日は来ない。


私は端っこに移動し、会場を見渡す。いた。新郎新婦を見つめるライ様。私はあの横顔が好きだ。昔からアンリエッタが好きで想いを胸に秘めずっと近くにいた人。


ある日ライ様がアンリエッタを見つめていることに気づいた。2人は幼なじみで両親同士も仲が良く昔からよく遊んでいたらしい。怪我をすればかけつけ、婚約者とケンカをした日にはずっと話を聞いていた。アンリエッタはその恋心には気づいていなかったが、彼女を見つめる目はとても優しく愛情に溢れていた。


婚約者の邪魔をすること無く、2人の仲を大事にしていた。私はそんなライ様が好きで、ある日嘘をついた。レナード様が好きでアンリエッタと結婚する時には諦めるから彼氏のフリをして欲しいと。このままだと両親に婚約者を決められそうで、彼氏がいれば待ってもらえる。学生時代はこの想いを大切にしたいからお願いしますと懇願した。


ライは戸惑って思案していたが承諾をしてくれて、この1年間一緒にいてくれてた。全く会ってないと両親に不審がられるでしょて言ってくれてお出かけもした。


少しでいいからライ様との思い出が欲しかった。それも今日終わる。私利私欲のために1年間迷惑をかけてしまった。


一緒に居るとたまに寂しそうな顔をしていたライ様。アンリエッタを想っていたのだろう。あの優しい愛情のこもった微笑みが私に向くことは無かったが幸せだった。思い出すのはアンリエッタを見つめる穏やかな横顔。ライ様を解放しなきゃ。



ーーーーー



馬車で帰り家まで送ってくれ、今までありがとうございましたって最後のお別れを言う。泣きそうだが耐える。耐えないとダメだ。優しいこの人に迷惑をかけてしまう。


「そんなにレナードが好き?」


ライ様は私の手を取り聞いてきた。


「えっ…」


「今日ずっと辛そうな顔してる。まだ諦めきれない?もっと私を利用していいよ?」


「いえ、もう大丈夫です。卒業もしたし婚約者が早々に決まると思います。ライ様ありがとうございます。」


「違う誰かに頼るの?もう私じゃダメなの?頼ってもらえない?あのね、アリー…」


ライ様の手にギュッと力が入る。勘違いしそうになる。


「いつまでも頼るわけにはいかないので。ライ様は幸せになってください!失礼します!」


私は手を振り払い逃げた。急いで家に入り、部屋へと走った。涙が止まらなかった。



ーーーーー


「アリー!急に来てごめんね。」


「全然大丈夫だよ。新婚さんなのにどうしたの?忙しいでしょ?」


「だって!すぐお祝い言いたくて!結婚式の時に言ってくれたら良かったのにー。」


「え?」


どうしよう。アンリエッタの言っている意味がわからない。


「結婚するんでしょ!2人いつも仲良かったから早いとは思っていたけど、こんなすぐだなんて!黙ってるなんてヒドイよー。」


…本当にどうしよう。全くわからない。


「アンリエッタ…待って。ちょっと意味がわからないんだけど…」


「え?実家に帰った時両親同士で話してたよ。ライが結婚するって。」


「私じゃない…」


…ライ様結婚するんだ。やっぱり迷惑かけていた。きっと恋仲な人がいたんだ。私に気を使って隠していたんだ。


「そんな訳ない!ライはアリーが大好きなのに他の人なんていないよ。私が保証する!」


その時侍女が来客を告げ、人が入ってきた。


「ライ!おめでとう!」


アンリエッタが入ってきたライ様に祝福を言う。ライ様は困ったようにアンリエッタを呼び耳元で何かを言っている。え!ゴメンと謝っている。やはり違う人なのだろう。


「アリー私邪魔だから帰るね!またすぐ会おうね!」


「アンリエッタ待って!」


早々に出ていってしまう。え!2人にされると困るんだが!そもそもライ様何しに来たの?あ、結婚の報告?いや、いらないし。


「…アリー。」


「はい!ライ様どうされました?」


ライ様は私の前に立ち少し強張った顔をしている。


「私と結婚して欲しい。」


ライ様が私の手を取り傅く。は?


「君がレナードを心に留めたままでもいい。一生一緒にいる中で、いつか私を好きになってくれれば嬉しい。」


「え?ライ様結婚するんですよね?」


「するよ。君と結婚したい。君が好きなんだ。両親と先に最終の話をつけたせいで、アンリエッタに先にばらされてしまった。最悪だ。」


「ライ様!」


傅くライ様に飛びついた。危ない!と言いながら抱きとめてくれる。床に座るかたちで抱きしめ合う。どうしたの?優しく頭を撫でながら聞いてくれる。


「私ずっとライ様が好きで…一緒にいたくて嘘ついてました!ごめんなさい!」


私の頬を触り口づけが落ちてくる。頬に唇に何度も。嬉しいと言いギュッと抱きしめられる。


また口づけをされそうだったので恥ずかしくて胸元を押す。ライ様を見上げると、とても優しい愛情のこもった目をしていた。私が欲しかったあの目だ。


そしてまた唇に口づけが落ちてきた。



ーーーーー



実は私達交際期間中すでに婚約していたらしい。嘘の交際が始まり数ヶ月後にはライ様がお互いの家に話を通し、密かに手続きを済ませていた。卒業後すぐプロポーズするから黙っていて欲しいと言っていたみたいで両家とも何も言わなかったと。


あの結婚式の日に言おうとしてくれていたみたい。私が逃げた為そんなにレナードが好きかと数日落ち込んでいたが、意を決して来てみたらアンリエッタに先を越されたと。


アンリエッタは妹みたいに思っていて、恋心を抱いたことは無い事、嘘の交際が始まってすぐには私が好きで結婚を決めていた事。色々話してくれた。


話を持ちかけた頃には私の事が少し気になっていたため承諾したらしい。普通に告白していれば良かった…。私は勘違いを謝るがあの交際期間も大切だったと言ってくれる。


ーーーーー


用意されていたため準備期間はすぐ終わり結婚式を迎えた。優しい目をするライ様の手を取り、これからも共に歩いて行く。



ーーーーー







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ