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第6話 イメチェン

 

 休日である翌朝、出版社勤めである母さんは、相変わらず仕事が忙しいみたいで、早朝から出社して行ったようだけれど、リビングに書き置きが残されていた。


 れい、豚の生姜焼き凄くおいしかったわ。

 あなたいつの間に料理なんておぼえたの?

 まあ何にせよホントありがとね。おかげで今日も元気に働けます。また良かったらなにか作ってね。楽しみに待ってるわ。


 (さき)


 書き置きにはそう書かれていた。

 母さんも喜んでくれたようで何よりだ。

 これからは今まで苦労かけた分、親孝行して行かないとな。


 そんなことを考えていると、パジャマ姿の麻衣がまだ眠気が覚め切らないのか、瞼を擦りながら起きて来た。


「お兄ぃおはよー⋯⋯」

「ああ、おはよう麻衣。すぐに朝食作るから顔でも洗って待っててくれ」

「え!? お兄ぃ朝食まで作ってくれるの?」

「言ったろ? できるだけのことはするって」

「うん、ありがとね。それじゃ顔洗って着替えてくる」


  そう言うと、麻衣はリビングを出て行った。


  しばらく朝食を作りながら待っていると、学校のジャージに着替えた麻衣がリビングに戻って来た。


  丁度でき上がったトーストとハムエッグをテーブルに並べて二人で食べ始める。


「麻衣は今日も部活か?」

「うん、今日は近くの高校のテニス部を呼んで練習試合があるんだ」

「へえ、そうなのか。それで麻衣も試合に出るのか?」

「うん。これでも期待の新人って言われてるんだからね。一年生でレギュラーメンバーに入ってるのって私だけなんだよ」

「それは凄いな。試合で勝てるように頑張れよ」

「うん。お兄ぃは今日はどう過ごすつもりなの?」

「俺は美容院に行こうと思ってる。この不良感満載の金髪を黒く染め直して、髪型も爽やかに見えるように短めにしてもらうつもりだ」

「いいじゃん。そしたらバッチリイメチェンになると思うよ。人は見た目の印象が九割っていうし、変わるっていうなら、やっぱりそこから始めないとね」

「ああ、俺も皆から怖がられないようにするためには、見た目から変えないとと思ってな」

「うんうん。あ、そうだ! 私の友達がやってる美容院紹介してあげようか。私もいつも切ってもらってるから腕は確かだよ」

「それは助かるな。どこに行けばいいのか分からずに困ってたところなんだ」

「それじゃ私が電話して予約入れといてあげるね。その美容院人気あるから予約制になってるんだ」

「そうなのか。それじゃお願いしようかな」




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