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第51話 紗耶とのトーク

 

 夕食や風呂を済ませて、俺は今、部屋で紗耶とレインのトークをしている。



 紗耶:文化祭まで残り二週間を切りましたね。怜人先輩のクラスの出し物はメイド&執事喫茶でしたっけ。準備の方は進んでいますか?


 レイ:ああ。皆張り切ってやってるよ。皆の名前入りのクラスTシャツ着て飾り付けの風船を作ったり、黒板アートに何を描くか色々とアイデアを出し合ったりしてな。紗耶のクラスは、モザイクアートだったよな。


 紗耶:はい。一年生は模擬店の出し物は禁止ですからね。それ以外で見栄えがいいのが選ばれました。


 レイ:期待出来そうだな。ところで紗耶は誰を招待するんだ?


 紗耶:私は両親を。怜人先輩は?


 レイ:俺は母さんを招待するつもりだよ。仕事が忙しいから来れるかどうかは半々ってところだけどな。


 紗耶:咲さんですか。あの時は色々とお世話になったんで、また文化祭で会えると嬉しいです。


 レイ:母さんも紗耶に会いたがってたぞ。後、葵と陽菜にも会いたいって言ってたな。


 紗耶:以前ショッピングモールで偶然会ったんですよね。


 レイ:ああ。それで一日目の空き時間に、その葵と陽菜、それに紗耶とを加えた四人で文化祭を見て回るって事でよかったよな?


 紗耶:はい。麻衣さんも一緒がよかったんですけど、シフトの関係で無理になってしまいましたから。


 レイ:麻衣については仕方ないな。それはそうと、二日目の一般開放日はどうする予定でいるんだ? まだ何も聞いてないけど。


 紗耶:その事なんですけど、怜人先輩、二日目のシフトは午後からだって言ってましたよね? 私もそうなんで、よかったら午前中は二人きりで文化祭を回りませんか?


 レイ:俺と紗耶でか? でも麻衣は空き時間が合わないとして、葵と陽菜はどうするんだ?


 紗耶:お二人には既に了承を得ています。自分達は一日目に皆で回れればそれで十分との事でした。


 レイ:そうなのか? だったら俺に断る理由はない。二人で楽しもうか


 紗耶:はい! ちなみに怜人先輩は何を見て回りたいですか?


 レイ:そうだなぁ⋯⋯俺はバンドのライブとか見てみたいかな。


 紗耶:怜人先輩って音楽結構聞く方なんですか?


 レイ:まぁな。スマホでダウンロードした曲を勉強する間とかにもBGMとして流してるよ。ロックとかポップスとか。たまにクラシックなんかも聞くし、ジャンルにこだわりはあまりないかな。


 紗耶:そうなんですね。私も執筆中はずっと音楽をかけてます。創作に向いてるのは、ローファイやアンビエントですね。


 レイ:落ち着いた感じの選曲だな。じゃあ文化祭でやる激しいロックとかは苦手か?


 紗耶:いえ、執筆中は──というだけで、ロックも聴きますよ。さすがにヘッドバンキングするようなデスメタルなんかは敬遠してしまいますけどね。


 レイ:あはは。俺もそういうのはちょっと遠慮したいな。文化祭では登場しないのを願うよ。それで紗耶は何を回りたいんだ?


 紗耶:私は演劇です。うちの学校の演劇部は大きな大会で受賞する程に有名らしいですからね。創作する者としてどんな脚本かとか非常に興味があります。


 レイ:紗耶らしいな。じゃあバンドと演劇をメインに見て回ろうか。どっちも午前と午後の両方やるはずだから、時間が合わなくて見れないなんて事にはならないはずだ。


 紗耶:はい。楽しみですね。高校生になってから初めての文化祭なんで、とても期待してます。


 レイ:中学でやる文化祭とは規模が違うだろうからな。俺は去年経験したけど、終わった後は皆でやり遂げたっていう充実感があったな。


 紗耶:私もそんな気持ちに浸ってみたいです。クラスの出し物が賞を取れればさらに感動出来るでしょうけど、それは難しいでしょうね。


 レイ:どこのクラスも気合入れて準備してるみたいだからな。なんにしても、いい文化祭になるといいな。


 紗耶:はい。クラスの出し物以外でも、忘れられない思い出が出来ると思います。


 俺はその時の紗耶の言葉を軽く聞き流したけれど、その言葉に含まれた真の意図には気づかないでいた。



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