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第49話 陽菜の報告会と紗耶の決意

 

 Side:紗耶



 紗耶:さて、今回の報告会の内容は、陽菜さんの遊園地デートについてですね。はたして陽菜さんは勇気を振り絞る事が出来たのか? というのがポイントになります。ではさっそく話してもらいましょう。陽菜さん、どうぞ。


 Aoi:陽菜、焦らずに落ち着いて、ゆっくりでいいからね。


 ひな:え〜っと〜、まずは私の提案でジェットコースターに乗ったのね〜。私絶叫系が好きだから〜。私の隣で怜人君が文字通り絶叫してて面白かった〜。


 紗耶:逆じゃないですか? ここは陽菜さんが怖がって立てなくなり、怜人先輩が優しく介抱するっていうのが、お約束っていうものなのでは?


 Aoi:紗耶。今の時代、女の方が強いのよ。


 紗耶:私の感性が古いと? ヤバいですね。作家として終わってます。麻夜マギ終了のお知らせです。先生の次回作にどうぞご期待ください。


 Aoi:気にしすぎよ。そんな事で長年の夢だった作家を終わらせてどうするのよ。紗耶の書く小説、私も読ませてもらったけど、いいセンスしてると思ったわよ。


 ひな:そうだよ、紗耶ちゃん、これからも頑張って〜。私も紗耶ちゃんの小説面白いと思ったよ〜。


 紗耶:そうですね、私は天才ですし、作家になるために生まれてきたようなものですし。


 Aoi:立ち直るの早いわね。むしろ尊大になってるわ。


 ひな:そっちの方が紗耶ちゃんらしいよ〜。


 紗耶:それよりも、陽菜さん、報告の続きを。余計な話に時間を費やしてしまいました。


 ひな:う〜んと、その後はね〜。メリーゴーランドに乗ったんだけど、夢みたいにロマンチックで素敵な時間だったよ〜。その後はお化け屋敷に入って、二人でわーきゃー騒いでたな〜。そして

 ゴーカートにも乗ったかな〜。スピード感とスリルがあって楽しかったし、競走したのも興奮したよ〜。他にも色んなアトラクションを回ったけど、一日じゃ遊びきれないくらいだったよ〜。


 紗耶:陽菜さんが楽しめたようで、フリーパスのペア券を渡した者としては嬉しい限りなんですけど、それはそれとして、もっとラブコメ的に美味しいイベントはなかったんですか?


 Aoi:そうよ、陽菜。私達と約束してたはずよね?


 ひな:え〜、何を〜?


 紗耶:とぼけても無駄ですよ。陽菜さん、分かってますよね? ミッションを達成出来ていなかったら、野宿ですよ?


 ひな:ひえっ! それ本気だったの〜?


 紗耶:本気も本気。本気と書いてマジです。それでミッションは無事達成出来たんですか?


 Aoi:この様子だと、遊園地が楽しすぎて忘れてたんじゃないかしら。


 ひな:そ、そんな事ないよ〜。ちゃんとやり遂げてきたんだから〜。


 紗耶:という事は?


 Aoi:しちゃったって事よね?


 ひな:うん。最後に大観覧車に二人で乗って、ゴンドラが頂上にきた時に、隣に座っていいって聞いて移動したんだけど⋯⋯。


 紗耶:そこで勢い余ってその罪深いたわわを怜人先輩の顔に押しつけてしまったと。なんてベタなラッキースケベ! なんて許しがたい禁断の果実! これはまたしても私が断罪するしかありませんね。


 ひな:ひやっ! そんな事してないよ〜。許して〜。


 Aoi:紗耶、下ネタで水を差さないで。陽菜、続けて。


 ひな:う、うん。それで、怜人君に、しばらく間目を瞑って前を向いてってお願いして、その⋯⋯頬に、キス、しちゃいました⋯⋯。


 紗耶:お〜、おめでとうございます。ミッションコンプリートにより、野宿からは逃れる事が出来ましたね。


 Aoi:頑張ったわね、陽菜。これで私と並んだわね。


 ひな:キスする時はドキドキで心臓が喉から飛び出ちゃうかと思ったよ〜。


 紗耶:陽菜さんも頬にですけどキスをした事で、お二人には水をあけられる形になってしまいましたね。


 Aoi:そうね。以前は映画デートとかお泊りとかで紗耶の方がリードしていたのにね。


 ひな:私達をあれだけ煽ったんだから、紗耶ちゃんも頑張らなきゃ駄目だよ〜。


 紗耶:分かっています。書籍化作業は来月一杯で終わらせられそうですから、その後の十月に開催される文化祭で勝負をかけようと考えています。


 Aoi:文化祭ね。二人で各クラスの出し物を見て回ったりしたら楽しそうよね。


 ひな:紗耶ちゃんも上手くいくといいね〜。



 今は自分の本を無事に出版する事だけ考えましょう。

 でもそれが叶った時には、ガンガン行かせてもらいますから、覚悟しておいてくださいね、怜人先輩。



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