第七灯 虫の知らせ
「探偵団」の「ささら」による怪談話
あー、聞こえてるか。聞こえてるな。
──―の視聴者さん初めまして。謎解き集団「探偵団」のささらだ。動画配信もゲーム実況者もしたことない素人だ。最近そういったことを始めようと思ったから、良い機会だとは思っていたがな。
探偵を名乗りながら、怪談話をすることになるとは思わなかったがまあ、いい。
怪談というものは所謂、不思議な体験というものだ。ホラーな体験である必要はない。ちょっと不思議に思ったくらいでも怪談にはなり得る。それが、人智では理解できないものならば、な。
日本人に伝わりやすい例えを挙げるなら、虫の知らせ。夢見が悪い、premonitionとも言うな。直訳だとforeboding.
悪いことがある気がする、というものだ。よく言う「嫌な気がする」「嫌な予感がする」というものだ。誰でも、経験したことはあるだろう。勿論、私もある。
私は虫の知らせはそれまでの経験などから、当人がこれからのことを無意識下で予測した結果のものと考える。こうなるのではないか、ああなるのではないかと無意識に考える。その結果だけが薄く、意識に残り、「予感」「不安」「直感」として表に現れる。それが、虫の知らせと呼ばれるようになったと私は考える。
これはただの私見だ。個人的な意見だ。
これを証明する術を私は持っていない。脳科学者でも心理学者でもないからな。だが、思考することは可能だ。そうだろう。
これから、視聴者達もそういったものを経験するかもしれない。人生は長いのだから。そのときは私の言葉を思い出せ。
「虫の知らせというものはお前の経験に基づいたものだ」
それを忘れるな。決してそれを忘れるなよ。
これで私の話は終わりだ。
この後も、この企画を君達が楽しめることを願っている。
……怪談話というよりは不思議な現象の解説という感じかな?
そうだな。
そうか。まあ、趣旨から外れてはいなから別にいいんだがね。
なら、文句は言うな、───。
この話をしようと思ったのは…………虫の知らせがあったからだ。




