同居生活初日
中村くんにお風呂を譲ってもらってさっぱりした。
家に着く前辺りで、私が「中村さん」と呼ぶと
"いや、さん付けじゃなくてもいい多分同い年ぐらいだし"と言われたから「中村くん」と呼ぶことにした。
「……中村くん、上がりました。ありがとうございます」
「…………ん、布団敷いといた。あと凛梨お前は笑顔が似合うからもっと笑え。」
「え……そんな、笑えと言われても急には無理ですっ」
「ゆっくりでいい、今ここにアイツらは居ないんだから」
「っ……!?な、何で家族の事まで……」
「言ったろ、お前の事前から知ってたって。だから家族と一緒の時も見かけるんだよ」
「そ、ですか……」
何で、あの人達の事を話す時だけ中村くんは辛そうなんだろ……も、もしかして私がそうさせて……る?
「笑って欲しいんだ……自然に。けど辛かったりしたら俺を頼ったっていい。」
「っ……ぅ……ひっく……な、んでそこまでして……」
「……気にかけてた、けど声をかけて迷惑かける気がして。ごめんもっと早く……声かけるべきだった」
私は中村くんの悲痛な気持ちを聞いて涙を流しながら全力で横に首を振った。
「そ、そんなこと……ないです!わた、しはっ……すご、く 助かった……」
中村くんを無意識に抱きしめていた……中村くんにやっぱり恩を返したい。
「っ!?り、凛梨?」
「……中村くん……これからもし、大丈夫なら一緒寝たい……」
「ぇ……」
「無理なら……大丈夫です。ごめんなさい……」
「…………いいよ、今日はもう疲れたろ寝よ」
「!?ありがとう……」
私と中村くんは今日の疲れを癒すように同じ布団で一緒に寝た。