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身に覚えのある人2
買い物の付き添いを終え、あいつのとこまで来た。
寒いのによくここでおれるな……てかやっぱり旅行カバンだったか。
「……孤独なはずなのに、安心する……不思議」
……だろうな、だってこいつアイツらと居る時ものすごい辛そうな顔するし。俺はコイツに声を掛けた。
「それは、わかる……けど、この時期はほんとに冷え込む……」
「……へ?」
ふは……間抜けな声だな。なんでこんな良い奴があいつらは嫌いなんだ?意味わからん。
「…………アンタ、少し前によくここら辺に来てた人だろ。俺、見掛けてたんだよアンタを」
「……っ!?そ、そんな前から……で、でも服とか……」
「あー、髪型はいつも一緒だろ?だからだわ」
びっくりしてんなぁ、まぁホントの事なんよな……。
ごめんな、声掛けんで……。
そう思いつつ俺はコイツに家に来るかと聞いた。
びっくりしてたけど、はいと来たので連れて帰ることにした。家族の事は今は聞いたら辛いだろからやめとこ。