生き地獄
小さい頃から家族には"役に立たない"、"邪魔だ"と言われ続けてきた。
だから今更、辛いだとか泣きたいとは思わなかった。
泣いたって誰も助けてくれないのだから。
「姉さんさー何でいつも行く先々にいるわけ?ほんとウザイんだけど……」
妹の華那は私の事を姉だと言うが実際は姉だとは思って居ないような言い方なのだ。
「ごめん……」
「はぁ……ほんとに私の姉なの?そんなんだからお父さんやお母さんにも相手されないんじゃないの?……まぁどうでもいいんだけどさ」
華那はブツブツ言いながら自分の部屋に戻った。
……分かっている。私の事なのだから1番分かるのだ。
だからって、私が何かを言えば眉間に皺を寄せ無言でどっかへ行くお父さんといつも妹の華那を溺愛し私と華那を比べるお母さんを20年間見てきたのだ。
「…………家から……出れば……楽になるかな……」
ふと、そんなことを口走っていた。
思い立ったが吉日だから、私は簡易的ではあるが荷物をまとめ家を出た。
2時間して、やっと街の方へ到着した。……街に来たのは久しぶりだ。やはりこちらの方が落ち着く。
「出たはいいものの……住む場所もないな……どうしよう」
うーんとベンチに座り色々考えていた。
…………。
考えすぎていつの間にか夜になっていた。