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想いを伝える時 side侑
俺は、他人が苦手だった。
関係ない話を俺がしても笑ったり泣いたりする。
ほんとに……どうでもいい話なのに……。
だけど、そんなことで一緒に居てくれる奴がいつしか心から安心していた。
そして、安心していた頃に凛梨と凛梨の家族をみかけるようになって凛梨はアイツらから蔑まれ、踏み躙られてきた。
だから、だから俺はそんな凛梨に声を掛け一緒に住もうと勧めた。守るために。
俺も俺で変わっているんだな……。
「凛梨……ほんとに元気になってよかった。」
入院中ずっと付き添って寝ていたからわかる。凛梨は夜な夜な魘されていた。
苦しそうに、何度も何度も謝っていた。
もっと前に声をかけて助けてれば…そう何度も俺も思った。
けど、過去は変えられない。なら今のアイツを大切にすること。笑ったアイツを見る事が俺の……俺自身へもの感情。
だから、今日俺は凛梨に気持ちを伝える。




