第3話(前) 行動開始
帰ってきました
11ヶ月音沙汰無しですみませんでした。
PV数が千を超えていてびっくりです。
死へのカウントダウンは刻一刻と進んでいる。
何百人と人がいた学校がゾンビに滅ぼされるなんてありえないなんて言っている場合ではない。現実から逃げてはいけない。大人がいない、ここにいるのは、一人一人は無力な子供だけ。
「ここにいる一人ひとりは弱い。それは俺もだ。だけどここにはまだ人がいる。一人一人は弱くても全員いれば強さは10倍でも100倍にもなる。まあそれはちゃんとすればだが。」
けど、力を合わせなければ何人いても、それは烏合の衆にしかならない。
悠太は言う。
「死にたくないと思っている奴は手を貸してくれ。ここでは死ぬ意味がない。いても迷惑をかけるだけとかは思うな、一人でも人は多いほうがいいからだ。」
「俺は協力するよ。」
誰かが言った。
人は自分から言い出すのは難しいが、誰かが言うと言いやすくなる。
「俺も」
「私も」
声が聞こえてくる。
「人も集まった、行動開始だ。」
(とりあえずすべきは、安全確保、この人数全員で行くのはリスクが高すぎる。じゃあどうするべきだ?)
ここの教室にいる数は正確に言うと48人、その中で正気を保っているまたは表面上でも普段通りかつ体力がある生徒は少ない。悠人の知っている限りでは、さっき真っ先に助けに出た野球部の氷見と甑、見かけ上は元気に見える鈴、そして剛と見たことがある運動部の先輩が数人といったところか。
「よし。じゃあ高麗川、氷見、甑と...あー―――
「徳島だ」
「岩部だ」
―――あざす、じゃあ3人と徳島先輩、岩部先輩、戸締まりと外の様子を確かめに行けますか?」
悠人の呼びかけに5人は快く承諾してくれたようだ
それに呼ばれなかった鈴は
「私は行かなくていいの?」
「あー...できれば鈴はこの教室で残っている人の状態の確認を頼みたい。」
これは嘘だ。できれば体力がある鈴には来てもらいたい。
しかしよく見るとさっきから鈴の体が震えている。悠太には鈴が弱く小さな子どもに見えた。今も外に出なくていいと知ると、少し安堵した表情を浮かべたように見えた。いつもは元気そうに見える鈴までとてつもなく疲弊しているのだ。他の人ならもっとダメージを受けているに違いない。そういう理由もあり鈴には教室に残ってもらうことを悠太は選択した。もちろん鈴のコミュ力の高さもあるので残ってもらうという理由もある。
「もちろん誰かと一緒にしてもいい。」
鈴は少し考えた後
「ん、わかった。任せてよ」
鈴はぽんっと胸を叩いて承諾してくれた。
「だけど私が行かなくていいの?ゾンビに襲われたら、....体力的に大丈夫なの?」
悠太もそれは重々承知している。ゾンビと格闘したときにわかったことだが、ゾンビの力の強さは間違いなく普通の人より強い。そして体力が桁違いにある鈴がいれば、ゾンビがいても誰も怪我をせずに帰ってこれるだろう。
しかし今、鈴は精神的に疲れている。それに身体的疲労も合わさると危険だ。できることをやってもらうほうが良いだろう。
「大丈夫だ、絶対誰も怪我をさせない。」
「絶対だよ。約束ね。」
約束したところで悠太は少し思考を巡らせた。
(門は四つあるがどこが一番ゾンビが入ってくるリスクが高い?門が小さい南門、いやドアがついている正門だな。よし、先に正門に行こう)
この学校には東西南北に四つの門があり、ほぼすべてが人が普通には入れないような高さと重さがあるので心配はないが、東にある正門の隣に関係者用通路のドアがあり、そこからゾンビが入る可能性がある。
悠太はそばに置いていたスコップを取り外に出る。
「がんば」
鈴の声を背中に、悠太は廊下に出て5人を見回し
「準備はできましたか?皆さん。」
先輩もいるので一応敬語で話し、
不安を消すため息を吸い込み、一言
「Let't go,follow me!」
悠太たちは階段を駆け下りた。
3日〜二週間くらいで更新します。
今書き終わっている三話の最初の部分です。
うだうだしすぎる主人公もダメだし逆に何も気にしなさすぎるのも怖い。調整が大変ですね…