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ランク

「すみません。こちらの依頼は難度Cですので受られるのはDランク以上の方か、パーティ内にCランク以上の方が在籍している場合のみになります! Fランクは最下位ですのでレイさん達の受けられるものは難度FかEのものになりますので、その中からお願いいたします!」


受注できなかった。冒険者にはランクがあるのか。説明されたか。覚えてない。


恥ずかしい。


未だクエストボードの前に佇むブラックの元へ戻る。


「ブラック、これ受けれないってよ。俺達Fランクは難度Eから下の依頼しか選べないらしい。犬殺すのは難度Cらしいぞ」


俺は今言われたことをブラックに伝える。


「え、そうなの。試験とか無かったけどFランクって何番目くらいなのかな」


ブラックは顔をこちらに向けて尋ねてくる。ボロい鎧の頭だけが回転する様子は暗がりだったらホラーだな。


「一番下だ」


俺は端的に告げる。


「一番下か」


ブラックは小さく呟き一枚の依頼書を手に取る。


「これなら行けるかな」


そう言いつつ依頼書を俺に渡してくる。


スライム退治。定番だな。


「いいな。受けてくる」


俺は再び受付へと舞い戻る。いつ見ても危険な服装をしている受付の娘がにこやかに依頼書を受け取る。


「レイさん、これ難度Bなんですけど。FかEの依頼から選んでくださいね」


ニコニコしている。腕を組んで少々穏やかにそう告げるその胸は腕の圧で服からこぼれ落ちそうだ。なんかちょっと怒ってないか。それどころでは無いが。


「依頼の難度ってどう見分けるんだ」


三度目は無い。俺は恥を忍んで受付に尋ねる。


「これです」


そう一言。依頼書を指さす受付。そうか、デカデカとスタンプが押してあった。なんで気づかなかった、俺。


クエストボードに戻りブラックにはそのことを伝えずに次の依頼を選ばせる。なんで言わなかったかって。変な依頼を選んだら俺が突っぱねてやるためだ。つまるところ八つ当たりだ。


「もっと簡単な依頼か……これにしよう」


そう言ってブラックが選んだのは残念ながらEランクの依頼書であった。

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