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「謎の封筒?」


「そう」



 電話を終えてしばらく。

 昼食のサンドイッチを食べ終えた少女と友人は、アイスコーヒーのストローを指先で弄りながら、真昼の暇を明かしている。


 昼の活性は未だ街路を埋め尽くしている。

 彼女らの会話は、都会の喧騒から浮かび上がるように、ゆったりとした速度感で進む。


 少女は、ふと思いついたように友人に言った。



()()()()()()、確かにこの問題は難しいかもね」


「どういうこと?」



 その問いには答えず、少女は、



「ねぇ、推理って好き?」


「嫌いだけど。答えだけサクッと分かればいいもん」


「……」



 少女は本能のままジトッと友人を睨みそうになって、

 しかし、更に一つ思いつく。



「問題を当てたら、ここを奢るって言ったらどう?」


「やる」



「……じゃあ、ギブしたらこのコーヒーを奢ってもらうならどう?」


「なんで後からリスクを足すのよ……」


「アンタが脊髄で返事しやがったからよ」


「じゃあもう一度さっきの質問してよ。小一時間悩んでみせるから」



「お会計に行きましょうか馬鹿女」


「わかった。リスクを飲むわ。それで、問題は?」




 問われ、少女は少し悩む。

 目前にある問題を如何にして言語化するか。


 言葉に変えようとしたとき、この問題には一つの言語的欠陥が発生する。

 それは、ヒトが言葉に依存して物事を伝えている時点で避けようのない欠陥である。


 ゆえに少女は、その欠陥をまず率直に言葉にした。



「最初に、――()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()。使ったら問題じゃなくなるからね」


「??? どういうこと?」



「視点が分かったらおしまいなの。登場人物の素性が一つでもわかったら、芋づる式で答えが分かる。封筒が、誰がなんのつもりで置いたものなのかが」



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