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9 Eランク冒険者







「えっ?」


「ですから、ネイトさんはEランクに上がりました」


翌日依頼をこなしてギルドに帰ると言われた事だ。


「じゃあ、明日からはEランクの依頼が受けられるの?」


ネイトの疑問に


「そうです。頑張られましたね。

特に魔物の納品の数がランクアップの決め手になったみたいですよ」


受付嬢の言葉に疑問が湧く。


「あれ?依頼以外でもランクアップに関係するんだ…」


受付嬢の言葉にランクアップに縁がなかったネイトが疑問を呈する。


「はい。ギルドにどれだけ貢献したか、この人にこのランクが合っているかとか色々ありますが、今回は早くランクアップさせた方がギルドの利益になると思われたと考えます」


「説明ありがとう。

じゃあこれまで通り依頼と魔物の納品で行こうと思うから、明日からもよろしくね」


「はい!頑張って下さい!」


お金と新しいギルドカードを受け取って、宿に帰る。








宿にて

「凄いじゃないか!そんなに早くランクアップするなんて!普通はない事だろう?」


「そうだね…ラッキーだったよ」


女将の勢いに終始押されていたネイト。だが他人事なのに喜んでくれるなんて、と感動もしていた。


「じゃあ!今日はお祝いだね!ご馳走作るから待ってておくれ!」


そう言うと返事も待たずにご飯の用意に行く女将。


(昨日気合を入れたばかりで拍子抜けしたけど、ランクアップが早いに越したことは無いしな。

次のランクアップを目指して明日からも頑張ろう!)


明日からの事は置いておいて、まずは目の前のご馳走に気持ちを向けたネイトは、ご飯を食べたら今日もすぐに寝た。







四日後

「今日もお疲れ様です。ネイトさん」


「ああ、お疲れ様」


ギルドで受付嬢と言葉を交わしていると


「お前がネイトか?ちょっとこい」


「え?」


知らない中年男性に腕を掴まれてギルドの2階へ連れて行かれるネイト。




「ここに座れ」


男はネイトに指示した。


「あのあなたは?」


「俺はここのギルドマスターのガインだ」


ネイトは薄々感づいてはいたがやはりギルドマスターだった。

ついぞ、ジョンの時には会うこともなかったギルドの大物だ。


「僕はネイトです。何のようですか?」


ネイトは当たり前の質問を伝えると


「お前だろ?ここ最近ギルドに魔物を持ってきているのは?」


質問に質問を返すギルドマスターにネイトは答える。


「たしかに毎日納品していますね」


「どうやって狩っている?」


隠す様な事でもないかと


「普通に剣や魔法で倒してますね。

これは伝えなくてもいいと思いますが

隠す事じゃないので伝えました」


「それがホントならさっさと昇級させたい。

証明出来るか?」


ギルドマスターの発言にネイトは少し驚いたが


「早くランクが上がるのは本意だけど…

証明って何をしたらいいの?」


ネイトには上手い話過ぎてすぐには答えられない。


「それが素の口調か。

証明は上のランクの奴と戦うか、実際狩りをしているところをギルド職員に見せるかだ。

もちろんお前が言ったように冒険者は秘密主義だ。

無理にとは言わんが早く昇級したかったら別だな」


「少し考えさせて下さい」


そう言って黙り込むネイト。

ネイトを睨むギルドマスターガイン。


(いつかは見られるしそれに変な事はしていないから狩りや戦うところを見られても…

別に困らないんじゃないかな?)


そう結論付けたネイトは答える。


「わかりました。受けます」


望んだ答えが返ってきたギルドマスターは


「そうか。こっちも強い奴には早くランクアップしてもらったほうが助かる。

それでどちらにする?」


ネイトにとってはどちらでも同じ事なので素直に


「どっちでもいいよ。

そちらの都合に合わせるよ」


ネイトの得意な方を選ぶと思っていたギルドマスターは予想外の答えに戸惑う。


「なに?」


「あっ!出来たら早い方がいいかな!」


「はぁわかった。じゃあ明日の狩りに職員が同行する」


ネイトの都合に合わせてくれるようだ。


「わかった!いつも通りに朝来るね。それじゃあ」


「ああ…」


何故か気の抜けた返事をしたギルドマスターを尻目にネイトはギルドを出る。







宿の食堂にて

「え!?もう昇級試験を受けれるのかい!?

明日はご馳走だからお腹すかせてなよ!!」



女将さんに元気を貰い食い意地にやる気を貰ったネイトは今日もぐっすり寝た。


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