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53 二日目はカットで!







王都剣術大会二日目

「今日も凄い人ね。まるでお祭りね」


「そうね。でも私たちは変わらずにネイトさんが無事に勝ち上がる事を祈りましょう」


ケイトの興味をしっかりネイトに誘導するカーラがいた。


「でも、大会中の勝ち残りの選手を優先して最高の医療が受けれるんでしょ?」


「そうだけど…でもネイトさんに痛い思いして欲しくないの!」


カーラの健気な言葉に


「それはそうだけど、そもそもネイトに傷を負わせられる人なんていたかしら?」


ケイトが現実を突き付ける。


「でも、万が一が起こらないように祈りましょうか」


「うん!」


健気なカーラが可愛くて結局一緒に祈る事にしたケイトの目に、今まさに対戦中のレイナードが映る。


(流石に前回の優勝者ね。負けないでね。ネイト)









レイナードの試合の次に歓声が大きかった試合が終わった。


『勝者、ネイト・スクァード』


試合場を後にするネイト。







宿にて

「お疲れ様。危なげなかったわね」


ケイトの労いの言葉に


「いや、流石にレベルが上がっていた」


素直な感想を述べるネイト。


「お疲れ様です。でも、そんな風には見えませんでしたよ?」


「カーラ、多分私達素人には分からない違いがあるんでしょう」


カーラの疑問に何故かケイトが答える。


「まぁ、そんなところだ」


それにとりあえずは乗っかるネイトが


「今日も応援ありがとう。明日までだがよろしく頼む」


二人に感謝の気持ちを告げた。











「えっ!?見つかった!?」


アンジェラは喜びと驚愕に包まれた。


「はい。お嬢様」


「それでどこで見つかったのよ!!」


早く答えが聞きたくて焦れるアンジェラに


「王都剣術大会に出場しています」


「そうだったのね…確かに剣術はそこそこやるようだったけど、剣なんかやめて魔術だけしなさいよね!」


アンジェラは頑なに剣術が嫌いなようだ。

屋敷の自室で明日の予定を考えるアンジェラは


「優勝はアイツがいるから無理ね。ネイトは褒賞が得られない上に惨めに負けるの。そうしたら剣術なんか辞めて魔術一本になるわ!後は…頼りたくないけど背に腹はかえられないから、パパの力でネイト(新魔法)を手に入れるの。完璧ね」


ここにも取らぬ狸の皮算用が得意な人が居たようだ。









「父上…」


「久しぶりだな。レイナードよ」


「お久しぶりです」


近衛騎士の職場でもある王城で、久しぶりの親子の対面をはたした。


「お前が家を飛び出して5年か…早いものだな。今や筆頭近衛騎士となったお前は王国の誇りだ。

皆が、お前の母がレイナードの顔が見たいと言っている。

一度顔を見せに戻ってはくれないか?」


父が息子に嘆願する。


「父上…私はこの王都剣術大会に全てを賭けています。これが終わるまでは何も考えたくはありません。

未熟故です。終わったら必ず返事を…」


息子の想いと覚悟を聞いた父は


「私もお前ほどではないが剣士の端くれだ。こんな時に済まなかった。

私達家族と領民はいつでもレイナードを応援している」


自分の実力を試したくて勝手に家を飛び出した自分勝手な奴に、こうまでも情を掛けてくれる親の無償の愛を感じて、今の自分が本当に正しいのか益々分からなくなってしまったレイナードは涙を隠し立ち去った。





色々な人の色々な思惑が交差して絡み合う。誰の思惑が成就するのか、結末は決勝の後で。


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