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47 騎士様は強引






「筆頭近衛騎士なんてすごい方だったのですね!」


ケイトは騎士と食事をしていた。


「まだまだ稽古不足だよ。今回の剣術大会で優勝して大会初の連覇を目指しているところだよ」


「レイナード様も出られるのですね。バザーが調子いいので大会には応援に行きますね」


騎士の名はレイナードと言うらしい。


「様はよしてくれ。私は田舎貴族の子ではあるが随分前に家を飛び出しているからね。勘当同然だよ。

それよりも『も』というのは?」


謙遜の仕方も所作も落ち着いた話し方もケイトにドストライクだ。


「私の知り合いも出るのですよ。一緒にバザーをしていた親友のカーラの想い人なんです。

ですからカーラも一緒に行ってレイナードさ…んの応援をしますね!」


少し恥ずかしそうに名前を呼ぶケイトにレイナードは釘付けになる。


暫くして暗くなったので宿へとケイトを送ることに





「本日はご馳走していただきありがとうございました。

もちろん助けていただいた時の事はずっと感謝しています」


「それは良いんだ。悪い思い出だろうから忘れてくれ。

いきなりで悪いのだが…」


レイナードは言い淀む。


「ケイト嬢、一目見た時から凄く綺麗で気になっていて、今日食事をしてたくさん話して、もっと君の事が知りたいと思った。

良ければこれからもこうして食事をしたりしてくれないか?」


ケイトは微笑みながら


「もちろんです!」


「ありがとう。それじゃあおやすみ」


「おやすみなさい」


ケイトはレイナードの後ろ姿を見つめていた。











「おかえり!どうだったの?!」


帰ってきたケイトにカーラがいきなり核心を聞く。


「おかえり。今日は大変だったみたいだな」


ネイトは労った。


「ただいま。カーラ、その話しは後でね!」


ケイトの表情をみたカーラは聞かなくても大体想像出来たがここは頷いた。


「ネイトはどうだったのよ?」


「俺は普通に依頼をこなして、夕方前にギルドに帰ってきたから、二人がまだバザーをしていると思って行ってみたら、何もないから仕方なく宿に帰るとカーラがいて、話しを聞いたってところだな」


3人が寝る段階にて女子会が始まるがネイトは気にせず寝た。


「え!?そんなにイケメンだったの?兜を付けてたからわからなかったわ。

でも私にはネイトさんがいるから…」


カーラはネイトをチラ見するが本人は寝ている。


「顔も良いけど性格や物腰が柔らかくてそこがいいのよ!」


「でも、その方は近衛騎士なんでしょ?

付き合うならここに留まらなきゃいけないわよね?」


カーラの質問に少し暗くなったが


「私は色恋よりも旅を取ったの。もし違うならはじめから旅などしなくてとっくに結婚しているわよ」


「じゃあ、いいお友達って事?」


「そうなるわね」


そう言って窓から見える夜空を眺めるケイトを、カーラはとても綺麗で儚げだったと思うのであった。







翌朝

「じゃあ、頼むわね」


「ああ。任せろ」


「頼りにしてます!」


朝食の席でケイト達は護衛を雇う件をネイトに伝えた。それなら知らない奴よりネイトで良くない?となり、ネイトがケイト&カーラのバザーの護衛となった。





「凄いな…」


ネイトは二人の後ろでバザーの売れ行きの凄さに圧倒されていた。

それもそのはず、二人が売っているものの値段は仕入れがタダなので相場よりも安く、二人がとんでもない美人だという事がそれに拍車を掛けていた。




夕方の早い時間

「今日も後少しね」


ケイトの言葉に


「そうね。この辺りまでね」


カーラが答え


「なんでだ?まだ馬車の中には在庫があるぞ?」


と、ネイトが疑問を呈する。


「在庫がたくさんあれば余り物だと思われて売れなくなったり、余り安い値段で一度に売ると転売の可能性も出るのよ。

それ以外にも理由はあるけどね」


「なるほどな…俺には一から十まで理解出来ないな…」


ネイトが呟くと


「ケイト嬢!」


白銀に輝く鎧を着た人が近づく


「レイナードさん!」


笑顔で答えるケイト。


この後に一悶着起きるが…



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