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46 都会って怖い





次はネイトが二人の話しを聞く番だ。


「私達は情報を集める為に私達の行商許可証を発行している商人ギルドにいったのだけどそこで聞いたのだけどね…」


言葉を繋いだカーラが


「王都バザーに出店します!」


「王都バザー?」


ネイトが疑問を呈する。


「はい!剣術大会で人が王都に集まるので王都の空き地で王国中の行商人が集まりバザーを開くのです!

ギルドに参加料を払えばそれに参加できるので、私達も参加する事にしました!」


話しを奪われたケイトは


「そういう事よ」


「治安は大丈夫なのか?」


ネイトの疑問に今度はケイトが答える。


「王都は騎士団の団員数が多いから治安はいいわよ。

まぁ、それでも悪さをする奴はどこにでもいるのだろうけど」


「そうか。依頼の合間にでも寄ってみる。場所は何処だ?」


「場所はですねぇ…」


3人の会話は夕食の匂いで終わる。

その後次の日のために早めに寝る3人であった。ケイトのフラグはすぐに回収されることになる。






冒険者ギルドにて

「これを受けたい」


「はい。受理いたしました」


ネイトはギルドを後にする。


「早く終わればバザーなるものに間に合うな」


ネイトは王都の外を駆ける。








バザーにて

「やっわね!」


「そうね!元々は賊たちの物で元手はゼロだしこれだけ売れると宿代も心配ないし言うことなしね!」


ここでは盗賊などを倒したら倒した者たちの物になる。なぜなら持ち主を特定する事など出来ないからだ。

ただし冒険者の依頼などは例外になる。


「このままいくとネイトさんの試合までに売り切れるんじゃないの?」


「ええ。そうなると次の旅も豪華になりそうね」


取らぬ狸の皮算用を始める二人に


「おい!ここで商売してるのはお前たちか!

ここのシマはウチのものだ!」


明らかにギャングと思われる男達がケイト達の店を囲む。

それに対してケイトは


「許可は取ってあるわ」


「はあ?そんなもん知らねーよ!利用料払うか全部置いてどっか行きな!」


バコッ


男は商品を蹴り飛ばす。


「ケ、ケイト…どうするの?」


カーラはケイトに縋り付く


「利用料っていくらよ?」


「100000ガースだ」


男の言葉にケイトは


「!?そんなの払えるわけないじゃない!」


驚愕したケイト達の顔をしっかり見た男は


「ん?お前たち…美人だから稼げる店を紹介してやるよ!お前たちなら100000くらいひと月で稼げるかもな!」


どうもまともな店ではない。


「さあ、どうする?」


男達が詰め寄る。


ケイトは後悔していた。

冒険者を護衛に雇うべきだった。これまでは王都ほど大きな街には行った事がなく街中で行商したりバザーを開いても一人で問題なかったから、ここでも大丈夫だとたかを括ってしまった。


「近寄らないで!」


もはや声をあげるくらいしか抵抗の術がない。


そこに


「貴様ら!何をしている!!」


全身鎧の男が声を掛けた。


「騎士だ!どうする?」


「相手は一人だ!やっちまえ!」


男達が騎士に飛びかかった。

ケイト達が次に見た光景では男達は全員倒れていた。


「何があった?」


騎士が話しかけてきた。


「私達はここで許可を貰いバザーを開いていたのですが、この男達がお金を払えと言って脅してきました」


ケイトが簡潔に答えた。

カーラは未だに震えている。


「そうか。許可証も本物だな。

後で詳しく聞きたいからそちらの震えている女性を帰らせてから取り調べに協力して欲しい」


この騎士の紳士な対応に好感度があがるケイトは


「わかりました。宿は…ですので待っていたらいいでしょうか?」


「ああ。そちらに行くよ。協力感謝する。では」


そう言い男は手際よく男達を捕縛して他の騎士を呼んで連れて行っていった。


「さっ。私達も片付けて帰るわよ?」


「うん…」


ケイトの言葉に怯えていたカーラは頷いて答えた。








宿に帰りカーラを部屋で休ませたケイトは食堂で騎士と話していた。


「そうだったのか。王都はいい街なんだ。これに懲りずにまたバザーを開いて欲しい」


「騎士様にお願いされずとも私にはこれしかありませんから」


紳士な発言に笑顔で答えるケイト


「どうかな?私の仕事はこれで終わりなので君を食事に誘いたいのだが」


「はいっ!喜んで」


ケイトに春が来たのか、それとも




その後ケイトはカーラに夕食は外で食べてくるから今日は二人きりの食事でネイトに甘えなさいと告げるとカーラはいきなり絶好調になった。

安堵したケイトは騎士と共に宿を出る。




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