45 登録完了
翌朝、部屋にて
「ネイトさん、おはようございます!」
「おはよう。ケイトはまだ寝てるな」
朝起きたネイトは昨日お酒を飲みすぎていたケイトが寝ている事を確認した。
「ケイトって、あんなにお酒飲むんですね…」
「旅の道中は飲めないからその反動じゃないか?」
カーラの疑問に答えたネイトだったが旅はまだ2回目だったので自信が持てなかった。
「あたたたたっ!そうよ」
それに答えたのはケイト自身だった。
「おはようケイト。大丈夫なの?」
「大丈夫よ…昼には頭痛も治まっているわ」
「パラディールに着いた時はそうでもなかったよな?」
ネイトの疑問に声をあげそうになり一白置いて言葉を飲み込み答える。
「あの時は!…なんでもないわ」
あの時は2人きりだった為、間違いが起きないようにと気をつけたのだがそれは言えないため黙り込む。
「ネイトはギルドよね?私達は行商が集まるところに行ってくるわ」
今日の予定を伝えられたネイトは
「わかった。朝食を食べたら別行動で、次に集まるのは夕食の時でいいか?」
「ええ。そうしましょう」
「ネイトさん気をつけてくださいね!特に都会の女には!」
「?わかった」
3人は朝食後解散した。
暫く後
「こんにちわ。ご用件はなんでしょうか?」
「俺はパラデュールの街から剣術大会の推薦を受けて王都に来たBランク冒険者のネイトというものだが、剣術大会の予定はわかるか?」
ここは王都冒険者ギルドの受付である。
「推薦状はありますか?」
「これでいいか?」
ネイトは懐から紙を取り出して渡す。
「はい。ではご説明します」
受付嬢はすぐに推薦状をネイトに返して説明を始めた。
疑問に思ったネイトは受付嬢に問う。
「その前に、一ついいか?何故推薦状を少し見ただけなんだ?」
「ああ。それはですね。推薦を受けたと嘘をつく人が例年たくさん来るんです。大会の予選は明日からなのですでに参加は締め切られています。
締め切りに間に合わなかった人や、本戦に出場したと箔が欲しい人が後を断ちません。
ですので推薦状が本物かどうか確認させていただきました」
世の中色んな人がいるなと改めて感じたネイトだった。
「ありがとう。続きを頼む」
「はい。先程も言ったようにすでに締め切られて予選は明日から始まります。
推薦枠の方は1週間後から始まる本戦からの出場になります。
その方はそれまでに大会委員が設置されている王都騎士団詰所にて手続きが必要になりますのでこちらの推薦状をご持参の上そちらまで行ってください。
以上です。
細かい規定などは詰所にてお伺い下さい」
「ありがとう。騎士団詰所はどこにある?」
「騎士団詰所は…」
説明を受けたネイトは
「ありがとう。1週間もまだ時間があるなら明日から何か依頼を受けようかと思うがここのギルドの説明も頼む」
「はい。ここ王都の冒険者ギルドはこの国のギルド本部になっています。横の建物がギルド本部でこの建物は王都冒険者ギルド支部となります。
2階に依頼ボードがあるのでそれを取って2階の受付で受理されれば依頼を受けた事になります。
ここは総合受付になっていますので、お困り事の際はこちらで伺います」
受付嬢の丁寧な説明にネイトは
「わかった。わからない事があればまたよろしく頼む」
頷きを返し、ギルドを後にした。
騎士団詰所にて
「次の方、ご用件をどうぞ」
ここにも受付嬢がいるんだなと、どうでもいい事を考えながら
「剣術大会に出たい。これはパラディールの領主からの推薦状だ」
ネイトが推薦状を受付嬢に渡す。
「はい。少々お待ちください」
推薦状を受け取った受付嬢は中身を確認する。
「はい。確かに。これから大会規定を説明しますが宜しいでしょうか?」
「ああ。頼む」
その言葉を聞いた受付嬢は説明を始める。
「王都剣術大会はこの国の剣術自慢が集まる大会で優勝者には栄誉と褒賞が与えられます。
参加者は基本全員が予選からの参加になりますがネイトさんのように推薦があれば当てはまりません。
推薦者は1週間後から始まる本戦、場所はこの横の建物の王都騎士団演習場になり、そこからの参加になります。
試合は一対一、外部からの干渉があれば反則負け、魔法も確認されたら負けです。
試合中の事故による対戦相手の死亡は勝ちになりますが故意と判断されれば反則負けになるので致命傷になる攻撃は基本やめてください。
武器は大会で用意されている刃を潰されているものの中からお選びください。
試合による負傷はある程度は大会委員により治されますが欠損などは諦めてください。
ですので防具を固められるのをお勧めします。
骨折程度であれば入院費などもこちらで負担します。
大会委員が用意した武器以外の使用が確認されたらそれも反則負けです。
推薦枠はすでに決まってますので試合日程はすでに会場にて確認できます。ですのでネイトさんも確認される事をお勧めします。
ネイトさんの場合はパラデュール代表と書いてある所ですね。
以上になります」
「わかった。ありがとう。言われた通り確認してみる。世話になったな」
ネイトは丁寧な説明にお礼を伝え、詰所を後にした。
「どうだったの?」
宿の自室にてケイトが聞いてきた。
「問題なかった。大会の本戦は1週間後からだ」
「わかりました!しっかり応援しますね!ネイトさんは何試合目なのですか?」
カーラはネイトの話しには食いつく。
「昼からだな」
「そうなのですね!ではそれまでは依頼を?」
「その予定だな。こっちの話しは以上だからそっちの事を聞かせてくれ」
そういうと二人は嬉しそうに話し始めた。