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40 小悪魔カーラと温泉






野営の警戒中にて

「ネイトさん…」


「どうした?眠れないのか?」


「はい…怖くて…」


カーラが焚き火の前のネイトに寄り添う。


「少しこうしていていいですか?」


「…ああ」


ネイトは異性に慣れていない。

ケイトは…別だ。


「やっぱり手が大きいですね」


カーラの押しに終始押されっぱなしなネイトであった。

ネイトはちょろいのである。








翌日旅を再開した3人の前には、幅10mの川から20m下に水が落ちている。

つまりは滝だ。


「凄い景色ですね!」


「そうね!ここまでの滝は見た事ないわ!」


「こんなに水が落ちてきて上の水はなくならないのか?」


三者三様の感想を漏らす。


「前の村で聞いたけど滝の近くに温泉があるらしいわ」


「おんせん?」


「温泉とは地面から湧き出た湯のことです。

場所によっては熱いところと人が入れる温度のところがあるみたいですよ」


「そんなのがあるのか…見てみたいな」


ネイトの呟きに二人は賛同した。







「馬車はここまでね」


馬車を降りた3人は滝壺を目指して山道を降りる。


「結構距離があるな」


「そうね。久しぶりに山の中を歩いたわ」


「なんで二人ともそんなに速いんですか!?」


賑やかに降る。




滝にほど近い川岸にて

「この辺りの筈なんだけど…」


3人が温泉を探すと


「ありました!湯気が出ています!」


そこには奇跡的に澄んでいる温泉があった。


「入れるかしら…ネイト…」


二人の視線がネイトをさす。


「俺かよ…」


恐る恐る湯に手を浸けると


「あったかい」


「どうなのよ?熱い?温い?」


「丁度いいんじゃないか?」


それを聞いた二人は手を浸けると


「丁度いいわね!」「あたたかいわ!」


「この後どうするんだ?」


素朴な疑問をネイトが発した。

カーラは頬を染めるがケイトは普段と変わらない。


「そんなの決まってるわ。足湯よ!」


「「足湯?」」


二人の頭を疑問が埋める。


「足湯っていうのは旅で疲れた人が足だけ温泉に浸けて足の疲れをとるのよ」


「そうなのか」「へぇー」


「みんなでやってみましょう?」


ケイトの掛け声で皆んなが靴を脱ぎ裾を捲る。


「行くわよ」


言い出しっぺのケイトから足をつける。


「気持ちいいわぁ」


気の抜けるケイトの声を聞いて他の二人も同じ事をする。


「気持ちいいな」「これはいいですね」


二人も満足気だ。


「全身使ったらヤバそうだな」


その言葉にケイトが


「年頃の女性が二人もいるのにそんな事出来るわけないじゃない!あなたの発想がヤバいわ」


「わ、私はネイトさんが嫌じゃなければご一緒します!」


ケイトの馬鹿にした返答とカーラの攻めた返答をスルーしてネイトは足を解すことに専念した。








馬車にて

「さっきの足湯は良かったわね!」


「そうね。出来れば次の温泉は、宿で全身浸かりたいわ」


女性陣が馭者席で賑やかだ。


(やはり温泉というのは全身つかれるものだったか)


ネイトは一人温泉の事を考えていた。








今回の旅も佳境に入った頃


「今日はこの辺りまでね!王都も近づいて来たからもう少しよ!」


「そうか。どんなところなんだ?」


ネイトの疑問に待っていましたとばかりにカーラが答える。


「それはですね。王都と国の名前は初代国王様にあやかってつけられました。

フランクリン・レイカード王その人です。

レイカード王国、王都フランクリンですね。

人口は20万人でパラディールの10倍ですね。

王都の広さはパラディールの5倍で王都周辺は穀倉地帯になっています。

王城と貴族街だけでパラディールくらいの広さがあります。貴族街には近衛騎士団の施設もあります。

それ以外の街並みは整然となっていてほとんどの建物が3階建てで高い建物は5階建てくらいあります。

ネイトさんが出られる王都剣術大会は王都の城壁外のコロシアムで行われます。

だいたい5万人収容できるらしいですね。

私は一度だけしか王都に行った事はないですが大きくは間違っていないはずです」


「よく調べられているわ。流石ね」


「凄いな。俺はそんなに喋れない」


ケイトは情報収集力を誉めてネイトは言葉の多さに驚いていた。


「それに王都の説明が桁違い過ぎて想像すら出来なかったな。だが理解は出来た。ありがとう」


ネイトに感謝されて、頑張って情報を集めた自分を褒めたいカーラだった。


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