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38 Fランク冒険者とBランク冒険者







「「じゃーん!」」


そこにはFランクの冒険者ギルドカードを掲げる二人の笑顔があった。


「無くさない様にしまっとけ」


ネイトが二人にそっけなく言う。


「師匠はドライだなぁ。もっとなんかあるだろ?」


「そうよ!私たちが冒険者になったのよ!」


「いや、登録しただけだろ?」


ため息と共にこの騒がしい二人に、剣術ならまだしも冒険者のイロハを教えなくてはならなくなった事を恨む。








昨日

「私も冒険者になるわ!!ジャックだけなんてずるいわ!!」


「おう!じゃあ明日一緒に登録しにいこーぜ!

一人より二人って昔からいうからな!」


「と、言う事で期日までは二人に冒険者の事を教えてやってくれ」


そうネイトに告げて逃げる様に部屋を出て行った領主だった。








場面は戻り

「はぁ」


今日何度目かになるため息をつくと


「なんだ師匠!悩み事か?話しぐらい聞くぞ!」


「そうよ!水臭いわね!早くいいなさい!」


ため息の原因に怒りの鉄槌を下す。


「いてっ!」「いったぁーい!」


「はぁ」


先は長そうだ。










しかし物事にはいつか終わりが来るものだ。


「長い様で…長かったな…」


「はははっ。流石のネイトもこの二人には振り回されたか」


「人が悪いですよ!半ば無理矢理押し付けましたよね」


ネイトが恨めしそうに領主を睨む。


「まぁ、これで依頼は達成なのだから許してくれ。

別の褒美も用意しているしな」


長かった依頼が無事終わったのだ。

領主の言葉にネイトは


「褒美?まぁ。そうですね。次は自分の試験があるのでこれで失礼します」


礼をして退出したネイトはギルドに向かう。






「よくやった」


ギルドマスター室でギルドマスターに言われた。


「ああ。約束通り頼むぞ」


そう言うとギルドマスターは


「ああ。報酬の金はこれだ」


ジャラジャラ


テーブルに袋が置かれる。


「それとBランク昇格試験だが…無しになった」


ネイトに衝撃が走る。

その為に頑張ってきたのに報われないのかと頭が真っ白になった。





「ああ。言い方が悪かったな。剣術大会を見たBランクがみんな試験官を断ってきた。

つまりは受けずに合格だ」


悪い笑みを浮かべたギルドマスターがネイトに告げた。


「これが新しいギルドカードだ」


そこには真新しいBランクの冒険者カードがあった。


「おい。嵌めたな?」


「おいおい!怒るなよ!ちょっとした演出じゃねぇか!」


この日ギルドマスター室で大きな物音がしたとかしてないとか。











「おめでとう」「おめでとうございます!」


ケイトとカーラが宿の食堂でネイトを祝っていた。


「すぐに帰ってきたからダメかと思ったじゃない」


ケイトの言葉にネイトはギルドマスター室でのやり取りを思い出して言う。


「俺もダメかと思ったが良かったよ」


「これでネイトさんは上級冒険者の仲間入りですね!」


「ありがとう。目標にはまだまだだが一先ず安心したよ」


「それでいつ出るの?」


目的を達成したのだ。

また旅が始まる。


「二人が良ければ明日にでも出ようと思うが…どうだ?」


ネイトの提案にケイトは


「私はすでにいつでも出れるわ」


続いてカーラは


「私もです!ただ兄が渡したいものがあると言っていたので出発は明日でいいですか?」


二人の答えを聞いたネイトは


「じゃあ明日の朝に出発だ。カーラはここに朝来てくれるか?」


「はい!わかりました」「了解よ」


その後明日立つ事を伝える為に急いで挨拶回りをした。





領主邸にて

「なに!?明日立つだと?」


急な事に領主は驚き、準備を進める為に指示を飛ばした。




カーラの館にて

「そ、それは急だね」


会頭も頭を抱えたがすぐに顔を上げて


「急用を思い出したよ。それじゃあ急ぎだからまた夕食でね」


そそくさと自室を後にした。


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