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27 ギルドマスターの手のひらの上







近場の依頼を終えて、ギルドに戻ってきた二人はカーラに報告をしていた。


「こちらが報酬になります」


「ありがとう。また明日も来るから今日のような依頼が有れば教えてくれ」


お互いに手応えがあった為、明日からも同様の依頼を受けたい事を伝える。


「はい。わかりました。また明日お待ちして『おい!またお前か!』おります…」


声の方に振り返ると


「またあんたらか」


あの時のCランク冒険者たちがいた。


「お前、この前は卑怯な手でやられたがもう油断しねぇぞ!」


それに反応したのはジャックだった。


「卑怯?貴様!師匠を卑怯者呼ばわりだと!?」


ネイトを侮辱されたジャックは自分の事以上にキレた。


「あぁん?なんだこの態度の悪いガキは!」


ジャックもネイトと同じくらいのまだ170cmくらいだ。

そのジャックが男に食ってかかる。


「貴様!この俺への無礼はいいが師匠を卑怯者呼ばわりした事を謝罪しないなら斬るぞ!」


「無礼なのはお前だろクソガキ!俺たちはCランク冒険者様だぞ!新人は黙って先輩の言う事をきいてろ!」


そこへ階段から声がかかる。


「うるせぇぞ。お前ら。ギルドの運営を邪魔するなら除名するぞ!」


ギルドマスターだった。


「お前たちこの間も騒ぎを起こしていたな。

ギルドは冒険者に対しては中立だからどちらかにつかない。

そこまで対立しているなら決闘をしろ!」


何故か知らないが決闘をすることになった。

向こうも唖然としている。

これはギルドマスターに上手く使われたなと気付いたネイトだった。


「お、俺たちは3人だし向こうは2人だろ?

それにCランクが下の者に手を出すのは…」


前回ネイトに伸された記憶が蘇る3人は逃げ腰だ。


「こいつはCランクだし、もう一人はここ領都の騎士でも手を焼く相手だ。

だから2対3でも問題ない。遥かに年下だがな」


逃げ道を無くすギルドマスターの物言いに3人は渋々従うことになった。


ジャックが黙っていたのはネイトが何も言わなかった事もあったが、対人戦のネイトが見たいと言う欲求が、ここは黙っていろと囁いたからであった。








ギルド併設の訓練所にて

「こんな施設が都会にはあるんだな」


とネイトは独り言ちる。


「師匠!是非師匠の対人戦が見たいから俺は観戦でもいいか?!」


急なジャックの提案だが、万が一でも怪我をさせられない為、了承を返す。


「構わない。しっかり見とけよ」


「ああ!楽しみだ!」


そこには騒ぎを聞きつけた冒険者達やギルド職員まで見物に訪れていた。


「Cランクどうしの対決だってよ!」


「しかもあのウザい奴らだぞ!」


「あの冒険者はCランクって事だが見た事ないぞ!」


「最近この街にきたらしいぞ!なんでもあの3人とは因縁があるみたいだ!」


「どうせあの3人の言いがかりだろ?」


外野は騒がしい。こう言う事は楽しんだ者勝ちの祭りのようなものだ。


そこにギルドマスターの声が響く。


「これより冒険者ギルドによる決闘を行う。

双方望みはなんだ?」


問われた双方だが、始めに男達の方が答える。


「俺たちはこいつらを街から追放してぇんだ」


「そうか。普通はそんな要望は通らないがどうする?」


ネイトに問いかけるがネイトはギルドマスターの意図を汲んだ。


「構わない。ただし、コイツは関係ない。決闘も1対3で構わない。

こちらの要望は3人にこれからカーラに構わずギルドで揉め事を起こさない事だ」


「わかった。みんなも聞いたな?

もし、この約束を違えたら重い罰がくだることになる」


外野は

「おいおい。1対3かよ…」


「こりゃ賭けにはならんな…」


「でもこれで3人が負けたら…」


「何言ってやがる。腐っても俺らより上のCランクだぞ?」




騒然とする場にギルドマスターの声が掛かる。




「鎮まれ!これより試合を始める!

故意に致命傷を与える事以外には特にルールはない!

では、始め!」


最初に動いたのは3人の方だ。


3人がそれぞれネイトを囲む形で陣取った。


「この前は狭い場所だったがここならこちらが有利だ!」



3人が吠えて一斉にネイトに襲いかかった。

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