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15 トカゲの尻尾切り







ちゅんちゅん


夜が明けた。

ネイトはきちんと起きていた。


「おはよう」


寝袋のようなマントからケイトが出て、馬車の幌から顔を出して挨拶をする。


「休めたかな?」


ケイトに挨拶を返したネイトだがケイトが驚愕している。


「な、なんなのよこれ!?」


そこには3体もの魔物の死骸があった。


「近くを通る気配があったから狩って来たんだよ」


驚愕しているケイトにネイトは簡単に答えた。


「狩って来たって…はぁ、やっぱりネイトは凄いのね…

ギルドマスターがわざわざ出張るのも無理ないわね…」


「どゆこと?」


ギルドマスター直接の依頼など上位冒険者以外ではほとんどない事を、当然ネイトは知らない。


「それはいいから出発までに魔物を荷台へ積んでおきなさい。

次の村で売るからそのつもりでね。

後、運賃に2割貰うわ」


ケイトの言葉に


「良かった!無駄になるかと思ったよ!2割だね?

わかった!よろしくお願いします!」


簡単な食事を取り、二人は次の村を目指す






昼過ぎの馬車にて

「起きてちょうだい。村に着いたわ」


ネイトは声を掛けられて夢の世界から出てくる。


「んあ、おはよう。昼過ぎくらいかな?」


「そうね。着いたら必要な物の取引と一緒に魔物も売るわ」


「任せるよ。相場も何もわからないからね」


自信満々に身も蓋もない事をのたまうネイトだった。


「貴方にはランクは通用しないわね…」


「ん?」


Cランク相当の知識が無いと言われたのだがそれもわからないようだ。




村での用事が済んだケイトは


「そろそろ行くわよ」


「えっ?もう?」


ケイトの指示にゆっくり出来ると思っていたネイトは驚きの声を上げた。


「休憩に寄ったわけじゃないわ。

荷物を積んでちょうだい」


「わかった」


仕入れた物を馬車に積んだ二人は先を急ぐ。





数日後

「着いたわ。ここが最初の依頼の場所に近い村よ」


「やっとだね!じゃあ、早速山に向かう?」


ネイトの疑問に


「あなたなら今日中に狩って帰れるかもしれないけどやめておきなさい。

今日は村の中で寝て、明日朝から向かうわよ」


ケイトの的確なプランを聞いたネイトは


「わかった。危ないなら俺は一人で行くから場所だけ教えてくれたらいいよ?」


「わかってるわ。道に迷わないところまで送ったら私は引き返すわ」


「了解!」


二人は村へと入って明日への準備をして就寝した。




翌日

「ここから森に入ればすぐ山の麓に行けるわ。

その周囲にいるはずよ」


馬車から外した馬で行けるところまで行き案内したケイトは、依頼の目的地を告げる。ネイトは


「わかった。オオトカゲの魔物だったね?」


依頼の確認をして


「ええ。尻尾だけでも成功だから倒さなくてもいいわ。

逆に尻尾がなければ倒しても失敗よ」


ケイトに注意事項を伝えられた。


「わかった。行ってくるよ」


ザッ


「頑張ってね」


ネイトの後ろ姿に声を投げ掛けた。






「この辺かな?」


ネイトは無事に山の麓に辿り着いた。


「初めての魔物でどの気配かわからないけど、気配がする所に行けばその内見つかるかな」




15分後

「おっ!2匹目の気配のところで依頼の魔物に当たったみたいだな」


目の前には尻尾まで含めて3mはあるオオトカゲの魔物が鹿を食べていた。


「食事中が一番狩りやすいんだよな」


気配を殺して近づくとあっさり倒してしまった。


「これは…依頼より移動の方が大変だな…」


気配察知は危険を防ぐためにも有用だが、ネイトが使っているように獲物を探して狩るのにも有用だ。

普通のCランクであれば、四人で探しても2時間はかかる。

他の冒険者が聞いたら怒りそうな依頼達成内容だ。


獲物を狩ったネイトは村へと帰る。





「ケイトー!帰ったよー!」


ネイトが帰ってくるがケイトは


「あれ?ネイト?早くないかしら?

いえ…早過ぎない?まだお昼よ」


ケイトの疑問に


「すぐに見つかったから良かったよ!荷台に積んで置いたよ!」


「あぁ、気配が分かるやつね…」


ケイトはすぐ答えに気付いた。


「そ。二つ目の気配が本命だったからすぐだったよ」


一通りネイトの話しを聞いて、理解したケイトは少し考えてから


「予定変更ね。

村には泊まらずに次の目的地へ向かうわ」


結論を出した。


「えぇー!今日もベッドで寝れるかと思ってたのに…」


ネイトの子供の様な発言についにケイトがキレて


「早く依頼が終わって帰れる方がいいでしょ!?」


ネイトは怒られた。


「はい…すみません」


怒られた拍子にジョンの精神年齢が蘇り、恥ずかしくなったネイトだった。



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