表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/101

13 案内人は…





買い物をする為、町に出たネイトだが


「買い出しに出たけど、何が必要かわかんないなぁ」


ネイトがぶつぶつ言いながら町を歩いていると雑貨屋が目に入る。

わからないならとりあえず入って聞いてみるかの精神で


「すみませーん」


「はーい」


店の奥から女性の声が応えた。


「なんでしょうか?」


10代後半くらいの綺麗な快活そうな女性だ。


「野営込みの旅に必要なものを揃えたいんだけど何が必要かも分からなくて…」


「それでしたらこちらのセットは如何ですか?」


それを見ると

『冒険者野営セット』

と、書かれていた。


「これ一つあれば基本的な野営はこなせます。

もちろん食事に拘りがあれば別に調理器具などを揃えなければなりませんが」


「料理は出来ないのでこちらでお願いします!」


食い気味に二つ返事で答えた。


「では、500ガースになります」


「じゃあこれで」


ネイトは店員さんにお金を渡す。


「はい!丁度いただきますね。

何か不都合がありましたら店に来てください。

ありがとうございました」


ペコリとお辞儀して答えてくれた店員さんにネイトも


「助かったよ!ありがとう」


と返事した。






宿にて

「そうかい。Cランクにもなると泊まり込みになるんだねぇ。

あの部屋は空けておくから無事に帰ってくるんだよ!」


「ありがとう女将さん!頑張ってくるよ!」


元気に挨拶したがどうせまた朝には会うことになる。







翌朝

「それじゃあ暫く帰れないけど元気でね!」


「怪我には気をつけるんだよ!」


まるで親子の挨拶だ。






ギルドにて

「門に案内人を待たせている。

案内料は今回はギルドが払っておくが普通は冒険者自らが払うものだ」


「ありがとうございます!」


ギルドマスターの言葉に元気に答える。

ネイトは現金な奴かもしれない。



門にて

「あいつが案内人だ。ああ見えて野営や旅のプロだ」


へー、と思いながらその人物に近づき確認するとそこにいたのは


「あっ!昨日の店員さん!?」


「そういうあなたは昨日のお客さん?」


「なんだ二人とも面識が有ったのか?」


訝しげなギルドマスターに二人がそれぞれ答える。


「いや、昨日この鞄と中身を買った店の店員さんなんだ」


「そうよ。彼にこの鞄を売ったのは私なの」


「まあ、小さな町ではないこともないか」


ギルドマスターの納得をよそに


「自己紹介がまだだったね。

俺はCランク冒険者のネイト・スクァードだ」


「私は案内人のケイト・ハンフリーよ。

あの店はこの町に旅で来て臨時で雇ってもらってるの」


お互いの自己紹介が終わると


「挨拶は済んだようだな。

ケイトには何処に行くか、どんな魔物を狩るのかはすでに伝えてある。

ケイトは馬車で行くからネイトはそれに乗せてもらえ。

俺は忙しいからこれで帰るがいいな?」


「ありがとうガインさん!いってくるよ!」


「まさか、年下だとは思わなかったけど依頼だし行ってくるわ!」


「じゃあ頑張れよ」


手を振りギルドマスターを見送る二人。


早速案内人のケイトが仕切り


「じゃあ行きましょうか」


「うん!荷物積ませてね」


それにネイトが答えてからお願いすると


「荷物は手前に置いてね」


「わかったよ」


しっかり指示に従うネイトだった。





門にて

「なんだぁ。今度は女連れか?

お前すげぇな」


「少し空けるけど10日以内には帰ってくるよ!」


門番に適当な挨拶を交わして出発する。





馬車にて

「これからどこに向かうの?」


ネイトの当たり前な疑問に


「一番近い依頼は隣村なんだけどそれは最後に寄るわ。

まずは遠い依頼から済ませて帰り道で他の依頼に取り掛かってもらうわ。

そうすれば馬車の荷物が道中少なくて済むから移動が早く済むの」


予想以上の納得な答えが返ってきた。


「なるほど、じゃあ一番遠い依頼からだね」


理解したネイトは一番始めに行くところを確認すると


「ええ、3個村を通り過ぎた所から山に向かうわ。

そこの山にいる魔物の素材が最初の依頼よ」


依頼内容まで伝えられた。


「わかった。どれくらいかかるかな?」


「だいたい村が馬車で1日の距離だから3日から4日と行ったところね」


ネイトの問いにスラスラと淀みなく答えるケイト。


「じゃあそれまでは馬車の護衛くらいしか出来ないけどごめんね!」


頼りになるケイトに、自分がやれる事を確認してから謝る。


「それが依頼だから気にしなくて良いわ。

それにしてもCランクにしてはずいぶん若く見えるわね?」


「15歳だけどこんなもんじゃない?」


「15!?通りで見た目が若いわけだわ…」


「良かった!幼く見えるのかと思ったよ」


「いや、15歳でCランクなんて見た事ないから18歳くらいかと思ったのよ」


「そうなんだ。ケイトさんは何歳なの?」


「私は18歳よ。後、まだ私は大丈夫だけど女性に年齢は聞かない方があなたのためよ」


何故かその言葉に威圧を感じ、真剣に頷くネイトだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ