10 ケーキってなに?
「今日も天気は良さそうだな」
ギルドに向かう途中、空を見上げて独り言ちる。
(これから見せる事になったけど、剣で戦えばいいかな?
魔法は必要ないから秘密にしておこう。
意味があるのかないのかわからないけど)
ギルドに着いたネイトの前にギルドマスターが現れて、開口一番に
「よし!じゃあ行くか!」
その言葉にネイトは戸惑い
「え?職員ってガインさん?」
と聞くが
「俺じゃ不服か?」
「いや、そうじゃないけど…まぁ、行こっか」
渋々納得して森に向かう。
森の中
「おい!ちょっとまて!」
「何ですか?」
ギルドマスターの言葉に足を止めた。
「いつもこんなに速く移動するのか?」ぜぇはぁ
「いつもは走ってるよ?」
その答えを聞いたギルドマスターは驚きを超えて呆れてしまった。
「そ、そうか…」
暫く進むと
「静かに!」
「!」
ネイトが指示を出した後、指を指す。
その先をガインがみると
「いた…」
「これから狩りますから見てて下さいね」
小声でそう言ったネイトに頷きで返す。
サッ
シュッ
スパンッ
ボトッ
「終わりましたよ!」
遠くで手を振るネイトを唖然として見ているガイン。
(さて、いつもは魔法で血抜きしてるけど
今はガインさんがいるからロープでっと)
唖然としている間にもテキパキと作業をこなすネイトに
「お、おい。今のどうやった?」
目を見開いたままのギルドマスターが問うと
「はぁあ?見てなかったの???
あれだけみててって言ったのに…」
ぶー垂れるネイトにギルドマスターが
「いや、見てたが速すぎて見えなかったと言うか…」
(そうなのか?自分がどうなのかはわからないもんな…)
「わかりましたよ!もう一度すれば良いですか?」
「いや、もういい…」
「え?それじゃあ不合格ですか?」
「いやそうじゃない。俺の予想以上だったからまた別の事を考えている」
合格なら何でもいいやと
「ふー。ならいいです」
と、答えた。その後、血抜きを終えた2人はギルドへと帰った。
ギルドマスター室にて
「とりあえずDランクは確定だが、このギルドで任されているCランクまでネイトのランクを上げたい」
ギルドマスターの提案に渡に船だとネイトは返事をした。
「はい」
「今日の夕方にCランクの冒険者が帰ってくるからそれから試験を受けないか?」
二つ返事で
「いいですよ」
「あっさりだな…まあ、実際ネイトの実力なら相手にもならんだろうが…」
「そうなんですか?」
相手にならないとはネイトも薄々感じているが、Cランクの実力がわからないのでそう言うしかない。
「ああ、俺がネイトの動きを見たところ少なくともBランクはある」
「見えなかったのに?」
痛いところをつくネイトにガインは苦笑いして
「見えなかったからBランクなんだ。
見えてたら俺の予想はまた違ったかもな」
「なるほど?」
いまいち腑に落ちていないネイトだった。
「とりあえず夕方に来い。少なくとも相手を殺すなよ?」
「そんな事しないよ!相手が俺より強かったらわかんないけど…」
「それは心配するな」
「はーい」
ギルドマスター室を出て時間潰しに町を行く事にしたネイト
「いらっしゃい!お一人かい?」
「はい。ダメですか?」
「いんや?好きなところに座ってくれ」
ここは町の中のカフェなるところだ。
もちろんジョンもネイトも来た事はない。
「おすすめは何ですか?」
「おすすめかぁ。それなら定番のコーヒーとケーキのセットで良いかい?」
「わからないのでそれで!」
「ミルク多めにしとくよ」
店員の勧めに全て頷いて飲み物を待つ。
「うわー。なんか変わった香りがする飲み物だ!
こっちは綺麗な見た目だな!」
ケーキとコーヒーを初めてみた感想がこれだ。
「あまーい!
この飲み物は少し苦いけど
ケーキの甘みを中和してくれて
最高の組み合わせだ!!」
「そこまで絶賛してくれた客は初めてだよ…」
褒めたのに店主が絶句している…解せん…
ガインが言った時刻までたっぷりケーキとコーヒーを堪能したネイトだった。
19話からが本編ですのでお待ちいただけたら幸いです。
そして、拙い文章ですが暖かい目で見ていただけたら幸いです。
よろしくお願いします。
https://ncode.syosetu.com/n6857hp/
こちらは同時進行している処女作
「はじめてのいせかいてんせい。」
になります。
宜しければ目を通して頂けると幸いです。
2つとも私には大切な小説ですので
よろしくお願いします。




