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ラグナロク、神々の黄昏その2

 天界側の代表団がやって来た。


「イアソー、天界を攻撃するとはどう言うつもりなのか」


「この船は元々天界を攻撃する目的で建造されたものなので試し撃ちをさせてもらったまでだ」


「イアソー、お前は神の御使いのはずだ」


「私は神を自称する異世界人の御使いになった覚えはない」


「私が仕える方はお一人だけだ、自称神々のみなさん」


 私は黙っています。私が話しているように見えますが、私は一言も言っていません!


「エマは私たちの側にいるのは理解している、だからイアソーを止めなさい」


 お願いその上から目線をやめて! イアソーさんがさらにヒャッハーするから。


「イアソー、お前の要求は何か?」


「すべての天空船を返してもらう。私たちの神を解放する事。その二つで今回は引き上げよう」


「地上でラグナロクが起こっているのは知っている。私たちも魔王討伐に協力する、それで引き上げるが良い」


 私の手が勝手に動いて中に浮いているパネルの天空船を操作すると、その天空船から巨大な光の球が天界の宮殿に向けて放たれた。私がやったのでは絶対にない。お茶が飲みたい。


 ディアブロさんがやって来てお茶を淹れてくれた。安心する。


「ベルゼル、よく来た。お前はイアソーの友人だったな、天界に弓引く行為はやめるように言ってほしい」


 執事服姿のディアブロさんにベルゼルと呼ぶと機嫌が悪くなる。今、ピキって音が聞こえたし。また、私の手が勝手に動いてパネルを触っている。天界の宮殿の半分が吹っ飛んだ。


 今、私の前にいる神々は黄昏たそがれているので、ラグナロクと呼んでも良い状態になっている。


 一柱の神様と子どもの神様が現れた。


 私の体が勝手に跪いた。「エミル様、ご無事で何よりです」


「イアソーご苦労様」と子どもの神様がイアソーさんをねぎらっていた。


「イアソー、満足したならとっとと地上に帰れ、エミルも連れ帰れ」


「ワシらは天界の復興で忙しいから地上も冥府にも干渉はしない、だからもう二度とここには来るな」


「天界側がその約束を守る限り来るつもりはない」


「お前たち、さっさと引き上げて天界の復興をするように」とエミル君と一緒に来た神様が一言ひとこと言うと神々が消えた。


「エミル様、私が護衛致しますのでこの天空船艦隊の指揮をお願いします」


「うむ、わかったイアソー護衛を頼む」

 イアソーさんが私から離れてエミル様の後ろに人形になって立っていた。イアソーさんてカラスじゃなかったんだ。とっても恥ずかしい。男性だったんだ。


「エマはすぐに地上に戻り、あの元魔王を討伐するように」


「エミル様、私ではあの天災級の厄災を退治するのは無理かと思います」


「エマ、そなたはグリムリーパーであろう」


「そう呼ばれることもありますね」


「やはり格好がグリムリーパーらしくないな、物事は形から入らないと」


 私は黒のフードを被って大鎌持っていた。


「しかし、女の子だし、それに風魔法使いだし、青い帽子に青い上着に青いズボン姿が良いかも、ヴァッサーフォーゲルを操って空を飛ぶと美しい」


 私は大鎌とグライダーを抱えて、青い帽子に上着に、青いズボンを着ていた。


「エマ、可及的速やかにあの元魔王を倒すように、早くしないと地上が消える」とエミル様が言う。


「エマ様、しっかりして下さい」とゆきちゃんが泣いていた。


「心配かけてごめん、第七軍団は速やかに後退してくださいませ、元魔王に近づくと吸収されますから」


「エマ様は?」


「私があれを屠ります。心配はいりません」

「でも」


「私を信じて下さいませ、ごめんなさい、皆がいると闘えないのです。はっきり言って邪魔です」


「第七軍団後退」ハーベスト大尉が命令を下した。

「灰色熊のみんな、後ろに下がるよ」ゆきちゃんが指示を出した。


 私はヴァッサーを出し、青い衣装を着用し、小さな鎌を持って空中に舞い上がった。

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