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エマ、北の国に

 熊君は自分がいかに私に可愛いがられていたのかを発表したようで、他の熊君たちは絶対に私と一緒に行くと決意したみたい。君たちがみんな来ると、費用対効果と言う奴が。無理だ。みんな連れて行かないと、残された熊君が暴れる。ハンニバルにお願いしよう。


「姉上、内乱鎮圧お見事でした。姉上の軍はほとんど無傷で戻って来られました。オデッサ攻略軍は25パーセントもの死者を出してしまい、再編成した上で訓練が必要になりました」


「そこで、姉上の第七軍から補充したいのですが?」


「それは無理だわ、第七軍は別名「聖女軍団」。聖女の私の言う事しか聞かないもの、熊君たちと一緒よ」


「それでは戻って来られてすぐで申し訳ないですが、王国北の辺境に異民族が襲来しているので、出陣をお願いします。出発は一週間後です」


「ハンニバル、私そろそろ学校に戻りたいのだけど」


「姉上、申し訳ありません。今動けるのは第七軍しかいないので」


 私ってそもそも軍人ではないし、まだ医学部にも入っていないので厳密に言うと無免許医師だったりする。


 エリザベートに会いに行こう。鏡はよし悪役顔ではない。エリザベートの部屋に入った途端に、今の今まで笑っていたエリザベートが大泣きし始めた。これって私の顔とか関係がないよね。私が部屋を出たら泣き止んだし。臭いだろうか?


 「彼女」の所にやって来た。「姉上、いらっしゃいませ。エリザベートは、死神が来たと感じて、泣くわけで姉上が嫌いなわけではありません」


「私って死神なの?」

「生命と死を司る者ですから死神より上位だと思います」

「死神は否定しないんだ、へこむよ」


「姉上、母上が北の魔王の国に入ります。魔王の封印を解きます」

「ウェイ」と奇声を出してしまった。


「それって本当なの?」

「はい、確定した未来です」


「その後は?」

「未確定なので申し上げられません」


「わかったよ。私、北の国に行くよ」


「姉上、御武運を祈っております」

「ありがとう」


 どのみち魔王の国に行くわけだし、魔王の封印は母上が解いているし。私たちが解いたわけではないから、私たちは悪くない。


 一週間後、第七軍は出陣した。軍の規定では戦闘後、約二週間の休暇が取れるので、今回は規定通り休暇を取って、不参加でも良いよって人間のみなさんには言ったのだけど、私たちは常に聖女様と一緒ですと言われて断られた。


 今回は、熊君たちがみんなついて来てるので補給が大変なのよと、本音が言えないのが辛い。


 北から来た異民族のみなさんは国を追い出されて仕方なしに来ただけで、その大元は魔王の復活だと言う。私たちは魔王討伐に行くと言うと、道案内をしてくれると言うし、補給隊の護衛もしてくれると言う。


 異民族のリーダーが言うには今回復活した魔王はおかしい。有力な魔族を殺している。魔王一人で戦うつもりのようで、力のある魔族が城から逃げ出して、その煽りで人間が逃げ出す事になっている。


 今回の魔王の口癖は「世界を滅ぼす」らしい。母上は魔王を復活させてその後どうしたのだろう?


 私たちは魔王の国に入った。魔族との遭遇戦はあったものの灰色熊軍団が私に褒められて頭を撫ぜてもらうために無双していた。お陰で捕虜が一人もいない。かなり困ったことになっている。ゆきちゃんに言わせると弱すぎる魔族が悪いらしい。熊君が手加減して殴っても消えてしまうから、熊君たちはまったく悪くないそうだ。


 私としては熊君に殴られても消えない魔族と出会いたい。

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