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霊廟、天空船、北の魔王

「ここはどなたのお墓なんでしょうか?」


「私の墓だ」


「イアソー様のお墓ですか?」


「ここは私たち、一族の墓だ。ご先祖様たちを呼び起こすのは本当に心苦しい」


「私たちはここに押し込められた。輪廻の輪の外に置かれた、私たちが神々に反逆した結果がこれだ」


「私は神の御使いとして転生させられたがな」


「私は理不尽な要求をする神々に、人間が成り代わるべきだと当時思っていた」


「人間を生け贄にして儀式、神々を褒め称えよとか、その割には自然災害には無力、それどころか、災害の原因が神々の争いだったりした。このダメ神を倒さないと人間は幸せにはならないと心底思っていた」


「イアソー様、人間が仮に神々に成り代わっても同じだと思います」

「人間も神々も似たようなものですから」


「人間の方が多少は理屈で動く分、私たちは人間の方がマシだと思って反逆しようとしたら、人間に裏切られた」

「それが今の王族の祖先だ」


「私たちは天空船で天界に攻め込む予定だった、天空船の担当が王族の先祖だった。天界に攻め入る日、天空船があるべき所になく、そこには天界の軍勢がいた」


「私はそこで、死んだのにイアソーとして転生させられた、私の親兄弟姉妹、私の家族にご先祖様たちは輪廻の輪から外されたのにもかかわらずだ」


「神々の所に行ける船があるのですか?」


「神々はそれに乗ってこの世界に来た異世界人だった。私たちがそれまで信仰していた神ではない」


「私が教えてられてきたことと違い過ぎます」


「王家は異世界人の代理人だから歴史を書き換えた」


「その天空船は、どこに隠されたのでしょう?」


「天界のどこかだ。しかし王族の祖先は慎重だ。おそらく一隻は地上に隠しているはず」


「自分たちがこの世界から逃げ出すためにな」


「私はずっと天空船を探して来た。神々も私に天空船を探させるために、私を神の御使いにしたのだろうさ」


 私が探せる範囲は探したけれども天空船はなかった。


「あるとすれば魔王が封印されている北の国だと思う」


「エマには、魔王が封印されている北の国に行ってもらうつもりだ」


「イアソー様、北の国に行ってまさか私に魔王城に入れとか言わないでしょうね」


「おそらく、入ってもらう。あるとすれば魔王城の最深部だと思っているから」


「魔王の復活とかはないですよね?」


「私たちが魔王城に入ったら封印が解けるかもしれない」


「勇者に封印される程度の魔王なら問題ない。雑魚だ」


 イアソーさんの雑魚の基準がわからないけど、体を乗っとられている私は北の魔王国に行くのは決定している。今から魔王の研究をしないと。


「エマ、ご先祖様に起きてもらうので、私が指定する範囲に結界を張って」


「イアソーさんが呪文ではなく、ご先祖様に起きてほしいとお願いをしてるみたい」


 ご先祖さんが明らかに嫌々ひつぎから出て来た。


 任務完了と思ったらダンジョンの外だった。熊君と一緒に診療所に戻ると、バイエルンに戻って来るようにとハンニバルから命令書が届いていた。


 ゆきちゃんからの手紙も届いていた、残された熊たちが毎晩夜泣きするのでご近所から苦情が来ているので早く帰って来てほしいと言う泣きの手紙だった。

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