ハーデス攻防戦
私たちはハーデスと言う都市の前に布陣した。時折ハーデスから弓矢と石が飛んで来るが、射程距離外に布陣してるので届かない。
第一、第三軍団は補給がうまくいっていないので当分待機とハンニバルから連絡が入った。
私たちは待つだけで良かった。当初、ハーデス側も増援を期待しているようで動かなかった。しかし、ハーデスに増援は来ないみたい。増援の部隊が、補給中の第一軍団と遭遇して戦闘になってしまった。
「敵は、第七軍団を突破する作戦を取ると思います、かなりの死者が出ますがいかがされますか」と尋ねたフリでの私への出撃要請がきた。
「私が出ます」と答えて私は熊君に乗って自陣を出た。ハーデス側から騎馬隊が数百騎出て来た。
槍も剣も私のシールドを貫くことが出来なかった。熊君に槍を突き立て様としたら、槍が折れた。剣は熊君の毛皮を切れない。
騎馬隊は逃げようとしたけれども、熊君は馬を瞬殺し、徒士で逃げる兵士の首を飛ばしまくっていた。次に弩部隊が出て来たが、石矢は私のシールドに弾かれてあらぬ方向に飛んで行った。熊君が怒って弩部隊に突撃して全滅させてしまった。
熊君は私の所に戻って来ると褒めてもらいたそうにしたので、頭を撫でてあげたら、思い切り咆哮して、敵も味方も怖がらせていた。私は鼓膜が破れるかと思った。
ハーデスの都の門はしっかりと閉められていた。
「ハーデスの都のみなさん、私はバイエルン家の二女でエマと申します。悪い様にはしませんので、門を開けて下さいませ」
門の中ではけっこう揉めている。人質に出来るかもしれないとか、相手は人間ではない、門を開けたら生きたまま地獄に堕とされるとか、勝手なことばかり言っているのが聞こえてきた。
こりゃ、結論は出ないわと自陣に戻ろうとしたら、ハーデスの都の門が開いて、首を三つ抱えた軍人が出て来た。
「エマ様、どうか門の中にお入り下さい。反乱軍の首謀者とその副官2名の首でございます。どうかお納め下さい」
「それはありがとうございます、首は後で係の者が受け取ります」係って誰だよと自分にツッコミを入れてしまった。
門の中に入ると、安堵の空気が流れている。戦争が終わった感が強い。
ハーデスのことはハーベスト大尉に任せて、私は診療所を開いてケガや病人の治療にあたった。聖女様と言う称号で治療にあたっている。
この都はお水が良くない。ハンニバルに頼んで治水工事をしてもらおうと思った。
第一と第三は第二軍団と共に叛徒の首都、オデッサを攻めている。叛徒もオデッサが落ちると後がないので、壮絶な戦いになっているらしい。
ハーデスのみなさんは聖女様の軍隊が来てくれて良かったと毎日感謝されている。迷惑な事に私のための教会堂を建設したいと言い出した。世の中が落ち着いてからにしましょうねとお願いして止めた。聖エマ教会堂とか造られたら恥ずかし過ぎる。
第七軍団はハーデスの都を守護する様に命令がハンニバルから出されて、第七軍団はハーデスの都の外に駐屯した。ハーベスト大尉が小さなトラブルもない方が良いという方針で軍団としてはハーデスの都には入らない。ただし休暇の兵士は都で遊ぶのは良いとされ、兵士の息抜きは出来る。ハーベスト大尉の気遣いは素晴らしい。ハンニバルにお願いして階級を上げてもらおう。
ハーデスの都には閉鎖されたダンジョンがあるので、暇な時は一度でも潜ってみたい。でも次から次へと患者さんと言うか信者さんが診療所に来るので忙しい。
オデッサの戦闘もオデッサの市民が門を開けたので終わった。バイエルン家の分担した地域の内乱は一応収まった。とは言えまだ国の3分の2が内乱状態なまま。
たぶん私と熊君たちが派遣されると思う。なので早めにハーデスの閉鎖されてるダンジョンに熊君と潜ろうと思っている。
朝早く本日休診の貼り紙をした。




