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エマ、軍団長になる

 母上が悪魔と契約した事、ヒノモトの姫君の力で母上の力をかなり奪ったのですぐには反撃して来ないこと、灰色熊を私が飼っている事など、手紙に書いて父上に出した。父上からの返事ではなく、ハンニバルから帰国を許可する旨の手紙が届いた。


 ミカサには春の儀式には必ず参加することを約束して帰国した。問題は灰色熊たち10数頭をどうやって運ぶのか。灰色熊は私とゆきちゃんの指示には従う。灰色熊たちの直属のボスはゆきちゃんだったりする。


 ゆきちゃんに熊たちを運ぶ船を任せた。操船は人形ゴーレムが行うので船には人間は誰も乗っていない。


 私は一足先にバイエルンに戻って、母上を出来るだけ早く拘束する様に進言するつもり。後は名探偵レクターに丸投げになると思う。



 エリザベートと「彼女」と初めて会う。緊張する。


 エリザベートは極、極普通の赤ちゃんだ。とっても可愛い。なぜ、どうしてエリザベートの10分の1で良いのでこの可愛さを私にもって思う。


「エリザベートちゃん、私があなたのお姉様ですよ」と言ったら思い切り泣かれた。エリザベートのお付きの方が、びっくりしていた。エリザベートって決して泣かない子だと言う。私はかなりへこんでしまった。この悪役顔を何とかしたい。早々にエリザベートの部屋を出た。


 「彼女」に会いに行く。気合いを入れた。彼女の部屋に入った。彼女は虚空を眺めている様に見えた。


「お久しぶりね」と心の中で言った。

「お久しぶりです、姉上様。競技場以来ですね」と私の頭の中で声が聞こえた。幻聴が聞こえるって、私の精神状態ってかなりまずいのかも。


「姉上の精神状態は良好ですわ」

「ウェイ」私は変な声を出してしまった。お付きの人たちがびっくりしていた。


「今回の姉上には期待しています。前回は最低でした」

「私、そんなに変わってないわよ。期待されても困るよ」


「そうでしょうか? 生と死を司る者におなりの姉上は初めてです」

「これはイアソーさんが私に取り憑いているからです」

「エマ、誰が取り憑いるって」

「イアソー様が私を導いて下さってるわけで」


「面白い!」彼女が笑った。

 「彼女」のお付きの人たちが集まって来た。彼女が笑うのは初めてのことだそうだ。


 エリザベートには泣かれ「彼女」には笑われた。と言うことでプラスマイナス、ゼロだ。エリザベートに泣かれたのはショックだったけど。でもどうして泣いたのだろう? 少しエリザベートを見て妬ましくは思ったからだろうか?


 「彼女」は私にだけ話し掛けているのだろうか? 私が死に戻りしてることも知っていた。今回は期待しているって言ってたけど。ここまでは上手く行っているってことなのだろうか?


 侍女のゆきちゃんが 父上がお呼びですと私の所にやって来た。彼女は私の侍女なので常に側にいないといけないのだけど。ゆきちゃんしか灰色熊の世話が出来ないので、別行動する事が多い。何とかしないといけない。


 父上の所に行くとハンニバルが難しい顔をして私を待っていた。


「姉上、あの灰色熊たちですが、姉上と姉上の侍女の言う事以外聞きません。私の配下で優秀なテイマーの者が指揮したところ、あの熊たちは自分たちの排泄物をテイマーに投げつけて追払いました」


「姉上か姉上の侍女を軍団長に任命したいのですが、灰色熊軍団はバイエルン家の要の軍団にしたい」

「軍団長には私がなります。侍女には副官の地位を与えて下さい」


「姉上、それは私の配下になると言う事でよろしいのでしょうか?」


「仕方ないでしょう、あの子たちの餌代って高いですから。バイエルン家に飼ってもらわないと私が困ります」


「では、姉上に出陣を命じます。灰色熊一頭を率いてサーダン領に赴き叛徒の殲滅せんめつをお願いします。


「ウェイ」と奇声を出してしまった。


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