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灰色熊の軍団と母上と悪魔

 一体どうやってこれほど多くの灰色熊をこの国に連れて来たのやら。やはり母上の後ろには悪魔がいるのは間違いないと思う。船だと絶対に目立つもの。


 ミカサが無双している。カオリさんも無双中。ゆきちゃんは泣いている。ゆきちゃんって戦闘力はゼロだから。でも灰色熊に飛ばされても平気だし。問題なし。


 私は母上待ち。まったく母上の魔力を感じないのが不気味だ。


「エマ、暇だ」とイアソーさんが言う。


「エマ、来たぞ、灰色熊がいる方向と逆の方向に走れ」


 私は全力で走った。前は崖になっていて空を飛ばない限り進めない。

 母上は地面の下にいる。


「エマ、久しぶりね、元気にしていたの」


「母上こそお元気そうで何よりです」


「あなたのお陰で幽閉されたけれど、もう許してあげるわね。あなたはここで死ぬのだから」


「母上には申し訳ありませんが私はここで死ぬことはありません」


「どうかお引き下さいませ」


「ディスペル」

 私のシールドがすべて消えた。

「あら、シールドが消えてしまったわね、どうするのかしら」


「私は母上を害するつもりはございません、どうかお引き下さいませ」


「逃げ回るかと思ったら、面白くも何ともない、出来損ない」


「ディスペル」と母上は言った。


「母上、私には母上の魔法は効きません、どうかお引き下さいませ」


「あり得ない、あり得ない、ファイアボルト」


「ディスペル」


 母上のファイアボルトが消えた。


「あり得ない、こんな出来損ないが私より格上ですってあり得ないのよ」


「お前は誰だ? エマに味方する悪魔か?」


「母上様、お茶でもいかかですか?」


「お嬢様、お茶でございます」


「エマ様の母上様もどうぞこちらへ」


 母上はふらふらしながら、ディアブロさんが用意した椅子に座ってこう言った。


「なぜ、あなたが、エマに仕えているの?」


「私はエマ様の執事が本業ですから」


「お前は私を騙したのか?」


「私はエマ様の母上様との契約はキチンと果たしております」


「私のモットーは信用第一ですから」


「ディアブロさん、母上とお知り合いですか?」


「はい、私の契約者ですから、もちろん存じています」


「お茶が冷めますので、温かいうちにお飲み下さい


「お前、私に力を貸すと契約を交わした」


「幽閉塔から逃し、ディスペルを教えました。後、動物の移動も終わりましたので契約完了です」


「一つ聞いても良いかしら、あなたエマを助けていない?」


「悪魔に尋ねるなんて私もどうかしいてるわね」


「私は執事としてエマ様に仕えているだけ、荒事は契約に入っておりません」


「そうですよね、エマ様」

「ディアブロさんは嘘はついていません。母上」


「あなたってディアブロと言うの、私にはベルゼルって名乗ったくせに」


「今日の所は引いて上げるわ、気分が悪いから先にお前の父親と弟を始末しましょうか」


「母上様、それはさせません」


「お前に何が出来るの?」


 私は母上の手を握った。母上は徐々に年老いて行く。魔力量は一般の魔法使いの半分以下にした所で手を離した


「母上、バイエルンに帰って静養してくださいませ」


「エマ、お前は私の力を奪ったのか」


「エマ、お前だけは絶対に殺す、絶対にだ」そう繰り返しつぶやきながら母上は姿を消した。


「ディアブロさんが、母上と契約した悪魔だったとは」


「散歩中に世界を呪う香ばしい香がしましたので、塔の中にふらふらと入りました。入りましたら、貴婦人が私と契約したいとおっしゃったので、私は喜んで貴婦人の願いを3つだけ叶えるという契約を致しました」

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