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離婚成立

 リヒャルト弁護士が翌朝書類を抱えて屋敷にやって来た。


 執事長は、夫人の殺害に失敗したため、自殺したと言う内容で処理された。

 夫人を殺害しようとした動機は、夫人が執事長に対していつも高圧的な態度で接した事への恨みになっていた。ミラルダ夫人の夫が盛んに司法官に訴えていた内容になっている。


 司法官は夫が主犯だと思っているので、なかなか屋敷を出なかった。朝まで誰も寝ていない。執事長が死んでいるので証人がいないのでどうにもならなかった。朝になったのでとりあえず司法官が引き上げた。


 やっとリヒャルト弁護士の出番になった。


「期限が来ましたのでこの書類にサインを」とミラルダ夫人の夫に死刑宣告をした。


「断る、そんな期限なんて俺は聞いていない、知らない」


「この記録動画を見ますと、あなたは、ミラルダ夫人が期限を設定した際、拒否されていません。つまり承認したと言う事ですので、あなたがサインしなくても、裁判所にこの記録動画と書類を提出すれば、離婚は成立しますので、もう諦めてサインされることをお勧めします」


「お前たちはそんなに私を破滅させたいのか。もう良い、ここで全員死んでもらう」と小悪党らしく言うと、隠し扉から柄の悪い人たちが5人出て来た。


 執事長の仲間が執事長の恨みを果たすために屋敷に侵入して、たまたま来ていた弁護士が巻き添えになって死ぬ設定にしたらしい。そんなバカな話はないよ。


 ミラルダ夫人に襲いかかったものの、私のシールドに弾かれて攻撃終了。

 私は「バインド」と一言ひとこと言った。柄の悪い人たちは全員動けなくなって床に倒れた。ミラルダ夫人の夫にもバインドの魔法でやはり動けない様にした。


 ミラルダ夫人の夫と柄の悪い人たちは再度戻って来た司法官に逮捕されて牢獄に連行されて行った。


 リヒャルト弁護士は記録動画と離婚関係の書類を裁判所に提出して、ミラルダ夫人の離婚は無事成立。


 ミラルダ夫人の夫が投資していた先は業績不振で破産した。高利回りをうたっていた割に何をしている業者なのかがわからない所だったそうな。


 ミラルダ夫人の夫はミラルダ夫人殺人未遂でしばらく牢獄に入る。柄の悪い人たちが夫から夫人の殺害を依頼されたと自供したためだ。夫は牢から出たら、出たで、今度は借金取りに追い回される人生が待っている。お気の毒に。


 リヒャルト弁護士とミラルダ夫人が現在、私のレンタル料について協議中だ。私はミラルダ夫人の姪としてお茶会に出ないといけないので、そのレンタル料について話し合っている。私はお茶会で美味しいお茶とお菓子が食べられるので無料でも良いと思っている。素敵なお庭も見ることができるし。


 御者さんは、故郷に帰ったとのことだった。首がいつまで冷んやりするのか私にはわからない。


 珍しく依頼者が来た。そして私はこう、リヒャルト弁護士から言われた。


「エマちゃん、貴族院初等部に転入してくれるかな」

「リヒャルトさん、私はこれでも高等部3年生なのですが」

「転入手続きはしておくので、調査、お願いね」


 リヒャルトさんて見た目と違って強引だ。私は、無給でかつ無休だ。

 

 今回の依頼内容は、「娘がどうも貴族院でイジメにあっている様で調査をしてほしい。証拠を集めてほしい。娘には内密でお願いする」との事だった。


 私の身分は男爵家の娘で、名前はエマ・フォン・ガーデンって思い切り偽名ぽい。


 調査する子の名前はハイディ・フォン・クーヘン、お菓子の名前ポイのでそのあたりがイジメの発端ではと元イジメっ子の私は思う。昔の経験も生きることもあるのか。私にとって黒歴史で忘れたい過去だったりする。


 貴族院の初等部に無事潜入に私は成功したが、私のアクセントってトリアステのアクセントと微妙に違う様で、完全にみんなからシカトされている。情報がまったく集まらないので困っている。家が貴族社会における最底辺だとこう言う扱いになるのかとも思った。


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