古代ダンジョンに潜るその7
「私の寝室はここを真っ直ぐに行った所です。ロックはしていないので、勝手に持って行って下さい」
「ベルゼル様、私たちと一緒には来て下さらないのですか?」
「あのメダル何でけどね、この厳重なセキュリティをかいくぐって置かれたのですよ。びっくりです。悪魔業界にこの話が広まった日には私は他の悪魔と数百年は毎日喧嘩の日々を送る事が決定します」
「それに、私への嫌がらせなのかメダルに神のギフトまで付いている。お陰様で、私、今自分の寝室で休めないのですよ。置いた奴がわかれば断罪する予定です。本当に迷惑です。さっさと持って行って下さい」
校長が悪魔に断罪されると私はとっても困るのだけど。
メダルをすべて回収した。私たちのミッションは達成した。
一名困っている人ではなく悪魔がいた。
「ベルゼル様、どうもお邪魔いたしました、これで失礼します」
「エマ様、待ってもらえませんか。口約束で良いので私をあなたの執事にすると言ってもらいたいわけで」
「お話が見えません」
「毎回、私はエマ様の執事でしたのに、今回はそれはなしって言うのは、私としては納得がいかないのです」
悪魔ベルゼルは数百年前にここのダンジョンマスターの任期が切れているのに後任が来ないので仕方ないしにダンジョンマスターをしている。今回は私と契約できなかったのでダンジョンから離れられない。しかし私と口約束をすれば、口約束も一種の契約は契約なので、ダンジョンからは自由になれる。だから口約束をしてほしいと言う。
契約内容は、エマは、悪魔ベルゼルを執事ディアブロと呼ぶこと、ディアブロこと悪魔ベルゼルはエマにお茶を淹れることだけ。もの凄くどうでも良い契約なんだけど。ベルゼルさんも気の毒な悪魔だし口約束をした。みんなの顔が青ざめていたのは見なかった事にした。だって逆らえる人間っていないと思う。
疑問点、なぜ今回はセバスチャン(仮)ではなくディアブロにしたのかと尋ねた。暇だったので悪魔の辞典『マッキー』を読んでいたら、ディアブロという言葉が悪魔の事だと知ったそうだ。ちょっとカッコいいって思ったし、それで今回はディアブロという設定にしたそうだ。セバスチャンとかセバスってなんとなく流行遅れポイしとこそっと言っていた。
私たちは執事のディアブロさんと、旅をする事になった。道中ほんとんどいないのだけど。私がお茶にしようとしたら必ずお茶を淹れに来てくれる。悪魔は本当に勤勉だ。
執事のディアブロさんと校長の所に行った。私は謝罪は早い方が良いと思ったと言うのは嘘でディアブロさんが一緒に行くって譲らなかったからだ。
ローレンスさんが何とかするだろう。悪魔の寝室まで入った人だし。こうなった原因はローレンスさんなのだから。私の責任ではない。
「校長先生、廃墟を回ってメダルを十個を集めて国内の古代ダンジョン三カ所に潜りました。以上です」
「お疲れ様でした、ところでこの紳士はどなたなのでしょうか?」
「最後に訪れたダンジョンで私の執事になりたいという方と出会いました。執事のディアブロさんです」
「校長先生、初めましてではないですね、私、校長先生の影を見た覚えがあります。しかし、とりあえず初めまして、校長先生」
「初めまして、校長のローレンスです」
「エマ、なぜベルゼルさんが一緒にいるのですか?」
「この方は大変な『人』何ですよ」
「ですから、断る事ができませんでした、それとベルゼルさんと呼ぶともの凄く機嫌が悪くなるのでご注意下さい」
「どうして私は校長何て引き受けてしまったのだろう」校長は力なく椅子に座りこんでいた。まさかですよね。悪魔が付いて来るなんて思いもしません。
「校長はエマ様の恩人ですので、断罪は中止しました」
「ありがとうございます」
「多少の嫌がらせをすることにしました」
「お手柔らかにお願いします」
「大丈夫です。亡くなったりしません。もし亡くなったら、エマ様の後見人は不肖私、ディアブロがいたしますのでご安心ください」
予想通りホーエル・バッハの生徒はみんな転校していた。三年生は五人だけになっていた。学年で最下位になっても学年五位だよね。残るは冬山登山なんだけど、まだ夏なので講義はどうするのだろう。
校長から二年生の指導にあたる様にと言われたけど、私たちってまともに二年生の課程を終えてないのだけど。




