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古代ダンジョンに潜るその3

 私たちは次のダンジョンに向かった。入口が瓦礫がれきで埋まっていると見るべきか、入口の門が壊れているのでわざとふさいでいるのか。瓦礫がれきを取り除いたら魔物のトレインが出てくると厄介なので、私とヴィクターが攻撃のスタンバイをしてから、マリアが瓦礫がれきの下の地面に穴をあけて瓦礫がれきを落とし込んだ。


入口が見えたけれどもまだ岩でふさがっていた。ヴィクターの魔道具でその岩を爆破した私たちダンジョンに入った。すぐに出入口に結界を張って魔物が外に出られないようにした。


 先頭はカオリさん、その後ろをミカサ、ウエルテル、ヴィクター、マリア、ニコラ、最後は私の順にゆっくりダンジョンを歩いた。不意にスライムが降って来たり、これこそダンジョンって感じ。落下して来たスライムは女性陣の一斉攻撃で一瞬で消滅した。運の悪いスライムだと思う。ちなみにニコラは水魔法使いだった。ニコラがスライムを水の刃で切断したけれども、スライムは分裂しただけだったのでかなり落ち込んでいた。


「ニコラの魔力量から考えると魔力は防御に回しておく方が良いと思います。ニコラさえ良ければ私の魔力をニコラにトランスファーできたら、ニコラにはヒーラー役になってほしいの」


 以前、私たちのチームにはヒーラーがいないので、ヴィクターに私の魔力をトランスファーして、ヴィクターにヒーラー役をして貰おうとした。結果は私の魔力とヴィクターの魔力の相性が悪くて、トランスファーした途端、ヴィクターは手で口を押さえてトイレに駆け込んだ。


「私がヒーラーですか? 後衛より前衛で戦いたいのですけど。このメンバーだと私しかいないですよね。エマ様、魔力のトランスファーしてみて下さい」


「気分が悪くなったら早めに言ってね」


「他人の魔力って違和感がありますね。気分は大丈夫です、そろそろいっぱいポイので止めて下さい」

「ニコラ、どんな感じかな?」

「そうですね、私の魔力と馴染むまで使えないかなぁ、でも普段感じてる魔力の倍はあるので、ヒーラーの役割は果たせると思います」


 第一階層は迷路になっている。マッピングしても二時間で変化してる。とは言え前のダンジョンみたいに上から見るのはできるのでそれほど苦労せずに迷路は抜けた。二階層に進むと、数の暴力の階層だった。ともかくやたら魔物が多い。


 ウサギの群れ、オオカミの群れ、イノシシの群れと、次から次へと魔物が襲って来るので休む暇がない。お陰でニコラの出番が多くてニコラは満足していた。


 魔力量が多くないヴィクターは早々にへばったし、ウエルテルもキツそうだった。マリアが作る穴も徐々に小さくなった。その度にヒーラーのニコラが三人を回復させていた。それぞれが役割があるのは良いことだ。無双している先輩たちは除く。あの二人は疲れ知らずだ。


 ミカサとカオリさんはひたすら殺戮(さつりく)を楽しんでいる様に見えてしまう。ダンジョンでは後片付けはしなくて良いのでそこはとってもありがたい。


 私は秘密兵器と言う扱いで参戦させてもらえていない。秘密兵器ってなんだよ。見た目は八歳の女の子だけど、けっこう私は憤慨していたりする。


「この階層でのキャンプは無理だ、下の階層にともかく行こう」とウエルテルが指示を出した。ウエルテルはこう言う場面では本当に頼りになる。


 三階層に降りたら、そこは私の屋敷のお部屋だった。ダンジョンになぜ私の部屋があるのって思っていたら「エマ、集中して」と声が聞こえた。集中、集中っと、ここは私の部屋ではなく沼地だった。あちこちに沼がある。下手に動いたら沼にはまっていただろう。


 ヴィクターが沼にダイビングしようとしていたを、ミカサがヴィクターを一発殴って正気に戻していた。ヴィクターは我に返って「凄い魔道具があったのに、思い出せない」と頭を抱えていた。魔道具バカは放置で良い。


 ニコラとマリアはカオリさんに手を繋がれて、「ビリビリ」って来たよねと言い合っていた。ニコラは母親が呼んでいたので、行こうとしたところをカオリさんに止められた。マリアは晩餐会に行こうとしたところをカオリさんに止められたと言う。


 幻想の沼に影響を受けなかったのはミカサとカオリさんとウエルテルの三人だ。ウエルテルってやっぱり凄いヤツだと思う。


 ヴィクターが「今日の夕食はカエルの姿焼き」と言い出した。殴られておかしくなったのだろうか?


 ニコラは「私は無理、食べられない」と言う。普通食べないよね。

「ヴィクター、初心者にはカエルの姿焼きは無理だ、カオリ天ぷらの用意をして」

「はい、ミカサお嬢様」今日の夕食はカオリさんが作ることになった。

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