表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/306

古代ダンジョンに潜るその2

 今度は迷路かあ。迷路の途中で浮遊魔法で上から見ようとしたら「ズルはいけません」って注意されて、迷路の入口に戻された。ここのダンジョンマスターからまったく悪意が感じられない。最初の落石で、私たち以外だったら岩で潰されていたかもだけど。注意書きがちゃんと用意されていたしね。マッピングして二時間掛けてやっと迷路を抜けた。疲れた。でも楽しかった。


「ヴィクター、あそこって水場だよね。キノコも生えてる」

「毒キノコはないみたい。今日はキノコ鍋にしよう」うちの料理長が本日の夕食のメニューを決めた。下ごしらえはカオリさんがしてくれた。ヴィクターの負担も減るだろう。良かった。


「ウエルテル、ここって魔物はいないのかな」


「ここって、ニワトリとかウサギとか鹿はいるけど、肉食系の動物は皆無、食用の植物は生えているし、香辛料の元になる木も生えている」

「ここのダンジョンマスターって、ダンジョンに潜った人をもてなすつもりでこのダンジョンを作った様に思う」


 このダンジョンで襲われる可能性は低いけれども、交代で見張りをする事にして、夕食後はそこでキャンプをはった。

 

 予想通り何も起こらなかった。朝食を食べ、順路はこちらの指示に従って、大広間に到着した。砂で作られたゴーレムがたくさんいる。私は風魔法でゴーレムを粉砕し、ヴィクターは爆砕魔道具でガンガンゴーレムを消しとばしたが、小さなゴーレムがわんさか作っただけに終わった。


 その小さなゴーレムたちは合体して元の大きさのゴーレムに戻ってしまった。これではキリがないって思ったら、マリアが一体のゴーレムを作って、相手のゴーレムを潰してはその元になっていた砂を取り込むを繰り返した。その内マリアのゴーレムは巨大化して、巨大ゴーレム対普通のゴーレムの戦いになっていた。相手方ゴーレムがかなりが少なくなったと思ったら、白旗を持ったゴーレムが現れた。


「コングラチュレーション」と声が聞こえた。ここのダンジョンマスターはきっとチャンさんだ。


 チャンさんの洞窟に「エンターテイメントチャンの館」って書いたプレートが入口の上に嵌め込めらていたもの。このダンジョンの最奥ってチャンさんの洞窟に通じているかもしれないと思った。


 私たちはプレートの指示に従って木馬に乗って周囲を一周させれたり、やたら鼻の長い動物に乗せられて、空中を一周させられたりした。無視をして先に進もうとすると、出口が消えた。ここのダンジョンマスターは、指示通りすれば納得するのだと諦めてこのダンジョンマスターの悪ふざけに付き合った。


 女の子たちには大ウケしていたので良しとしよう。男の子たちはウンザリしていたのが対象的で面白かった。私はそれなりに楽しめた。


 ダンジョン生活四日目、そろそろダンジョンから出たい。出口はこちらとプレートが現れた。メダルはどこかと探したら、壁の出っ張りに貼りつけてあった。ミカサが少しも躊躇(ためら)わずに出っ張りを押してメダルを剥がした。少しは躊躇(ためら)えよ。


 すると「ハヴァ、ナイス、デイ。バイバイ」と声が流れて出口が現れた。私たちは最初のダンジョンで楽しい日々を送った。また来ようと思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ