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エマ高等部3年生になる

 私は高等部3年になった。現在8歳、中身は18歳になったとは言えない。2年生の大半は王立魔法学校には復学しなかったので、2年生は40人、1クラスだけになってしまった。講義も演習もなくレポートのみで3年生に進級という前代未聞のことになった。私は40人中1番、学年1位になった。クラスで1番と言っても良いけど。もう成績はどうでも良くなった。私の医学部受験は確定している。職権濫用をして校長が「エマが、仮にクラスで最下位になっても推薦書を出すと言い切った」ので成績の事は考えなくて良くなった。


 3年生のクラス担任はローレンス校長自ら教えることになった。成り手がいなかったと言う方が良いかも。ちなみにローレンス校長は魔法使いではないので、法律学を教えている。ここは確か王立魔法学校だったはず。


 内乱の方は現在小康状態になっている。何か事が有ればバイエルン家の私兵が派遣されるので、「触らぬバイエルンに祟りなし」という事で小競り合いになっても大事には至っていない。

 王家は遂にバイエルン家が望んでいた公爵に陞爵(しょうしゃく)と言うか、元の爵位に戻した。母上はその知らせを聞いて大喜びされたそうだ。お元気そうで何よりだ。とは言え相変わらず私の事を害虫駆除すべしって言っているらしい。完全に憎まれている。


 私は決めた。医学部を受験して医者にもなるし巫女にも庭師にも農家にもなる。ただし魔道具師には成らない。私が考える魔道具って実用化が難しいから。それに回路図を描くのがヴィクターとウエルテルなのが腹が立つ。私がアイデアを出してヴィクターとウエルテルが回路図を描くのが魔道具回路図研究部では状態化している。私が回路図を描いても、数分後にはヴィクターとウエルテルの直しが入って、私の回路図はどこにもない。もうやめた。


 魔道具回路図研究部に入部希望の下級生が多い。魔道具に興味がないのに、バイエルン家と接近したいだけの希望者ばかり。ヴィクターが初歩的な回路図の試験をして全員落としている。その初歩的な回路図の問題に、私も挑戦したけど半分もできなかった。ヴィクターにとってこれが初歩の問題なのか、嫌になる。私はお飾りの部長です。


 私は今、花壇と畑作りの毎日を送っている。申し訳程度だった花壇は拡張につぐ拡張で大きくしたけど、手伝ってくれていたカオリさんがヒノモトに帰国したので一人では手に負えなくなってしまった。ここは学校に園芸部を申請しようかと思っていたりする。ただお花を見るのが好きで入部してくれる人はいても、育てようとする人がいるかどうか。


 入部試験はお花にどの様にお水のあげるのかにする。お水のやり方で愛情を込めているのかいないのかがわかるから。ともかく学校に園芸部の申請をする。できたら畑も手伝ってほしいけど、貴族はやらないだろうなあ。重労働だから。


 薬草畑で栽培して、せっせと自作した治癒のポーションが売るほどある。昨年売出し予定だったのが、あの惨事で売れなかった。消費期限が1年を切ったので半値で売るつもりでいる。


 ヴィクターが製作した魔力感知追尾型炎魔道具一型の残りと、ウエルテル作製の呼吸困難魔道具を学校に厳重に保管する様に依頼した。それらは学校の武器庫に納められた。なぜ学校に武器庫があるのかは考えないことにした。


 ミカサは帰国前日トラブルを起こした。ミカサは私が寝ている間に私を動けないようにしてカバンに入れて持って帰ろうとしたのだった。カオリさんが気づいて私を救出してくれたので、持って帰られずにすんだ。カオリさんにはヒノモトに行った際には素敵なプレゼントを送るつもり。可愛いものが好きなカオリさんなので、探すのが楽しみだ。ミカサは乱暴をしたので、普通のチーズで十分だ。


 クラス担任なったローレンス校長が、「このクラスの構成は見ればわかるように、ホーエル・バッハが35名、バイエルンが3名、無派閥が2名ですが、無派閥の子たちはバイエルンの庇護下に入るそうなので、バイエルンは5名になります」


 3年生は春の演習はしません。その代わり、1年生の時に行った廃墟に入ってもらいます。廃墟の中には私がメダルをいくつか隠しておきました。それを出来るだけ多く集めたグループの勝利とします。廃墟の中は薄暗いので、暗闇が怖い人はグループの人に任せれば良いです。ホーエル・バッハから15名が不参加を宣言し、残りの子たち20名、その20名を1班10名、2班に分けられた。行動は班ごとで動くのがルールとされ単独行動は禁止された。


 バイエルンは5名で1班とされた。


 無派閥の子は1人は大行軍の時は風邪を引いていて不参加だったので大惨事を免れた。もう1人は帰国中だったので不参加で大惨事を免れた。でも多くの友だちを失ってショックを受けていた。

 女生徒の1人はニコラ・フリューム、フォンが間に入っていない。ニコラに尋ねたら父親は貴族なのだけれども、母親が平民なのでフォンが名乗れないらしい。フォンがない方が面倒ごとは少ないという。私もなければ良かったのに。

 

 もう1人はマリア・ド・ブリュール、彼女は海外からの留学生。土魔法が得意だと言う。教えてほしいと心の中で思った。2人とも美少女なので男性陣が気になったが、相変わらずの魔道具バカで、自己紹介を聞いていなかった。後で叱っておこう。なぜか女の子2人はこちらを選んで正解だったと嬉しいそうだった。

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