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異端審問会議、エマ魔女認定されるその2

 アズサちゃんが登場したものの、催眠状態なのかぼんやりした感じがする。誰かが魔女を処分せよっと命令している。自分でやれよって思う。アズサちゃんの持った杖が大鎌に変わった。


 大鎌に勢いがない。明らかに嫌々やっているって感じがビシバシ感じるので、最弱の魔力でライトニングサンダーをアズサちゃんに落としてみた。アズサちゃんは大鎌を手放し、倒れてしまった。ヤバい、私って自分基準だった。私が平気でも他の人にとっては致命傷になるかもってことを忘れていた。


 私はアズサちゃんに駆け寄った。大丈夫ケガはしていない。眠っているだけだった。ふう。良かった。


 指揮官がこの黒ローブの連中に紛れている。微弱な魔力を感じたので、その辺りに最弱の魔力でライトニングサンダーを落とした。最弱の魔力なのに皆さんピクピク痙攣けいれんをして倒れている。これは私の責任だとは思う。微弱な魔力になるよう出力を絞る訓練をしようと思う。一応誰も死んではいないと思いたい。確認はしないけど。


 一人の黒ローブが「悪魔め」って言いながら立ち上がった。そこは魔女って言わないといけないのではと、聞こえないようにツッコミを入れてみた。お腹空いた、喉が渇いたと思ったら、ディアブロさんがいつもの三割増しの邪悪な笑顔をで登場した。


 もの凄く大きなテーブルと共に、黒ローブたちがテーブルに跳ね飛ばされて吹っ飛んでいた。これは私の責任ではないと強調しておく。


「本日のお茶は体力を回復するハーブを入れたハーブティーでございます。少々お熱いのでゆっくりお飲みください」


「ありがとう、ディアブロさん」


 黒ローブが杖を出して、ディアブロさんにちょっかいを出している。相手と自分の力の差がわからないのか? それとも異端審問官としての意地だろうか?


 黒ローブが消えた。私は見なかったことにして、ゆっくりとハーブティーを楽しんでいる。そこに白い華麗な装束の四十代半ばの男性、教会の偉い人がお供を引き連れてやってきた。間が悪い。



「エマ様、お茶をお楽しみ中申し訳ございません。私の配慮が至らずハエが出てきてしまいました。執事としてあるまじき失態でございます。即座に駆除しますので、今回だけはお許しください。次回からはハエ一匹現れないよう場を整えてからティータイムができるよういたします」


 嫌な予感しかしないのだけど。私にはディアブロさんは止められない。


「ディアブロさん、教会の中でも偉い人ぽいので、駆除はせずに虫かごに入れるだけにしてくださいませ」と私は言ってお茶を飲み干した。私がお茶を飲み終えたのを確認してディアブロさんが消えた。


 私、しくじったぽい。教会の偉いさんたちが小さくされて、虫かごに入れられていた。


「初めまして、私はエマ・デゥ・クローデルと申します」


 私はちゃんとご挨拶をしたのに、虫かごの中の人たちは「この魔女め、必ず処刑してやる」とか「元の姿に戻せ」とか「ここから出せ」とかやかましいだけ。自分たちの立場が理解できていないようなので、私は虫かごを持ったまま中央に噴水のある泉のところにやってきた。綺麗なお水が泉に溢れている。地上でも噴水ができるようにしたいなあ。


 私は泉の上で虫かごをぶらんぶらんしてみた。「処刑しても良い人は処刑される覚悟がある方のみでございます」と言いつつ虫かごを泉にゆっくりと沈めてみた。「魔女め止めろ」とかまだ言っていた。背の低い人の頭あたりまで、虫かごを沈めてみた。とても静かになった。


 さすがは聖職者命乞いはしないのは立派だと私は思ったが、違っていた。単に口の中にお水が入って声が出せなかっただけだった。


 虫かごを泉から引き上げると皆さま口々に「私は処刑するのに反対でした。それを処刑だと言ったのはコイツです」とか「私は魔女様の下僕になります。帝国を支配する手助けをいたします」とか聞いてはいけない言葉をいっぱい聞いてしまい、私は段々虫かごを泉に投げ込みたくなってきた。


「余にすべての責任がある。アズサがその方を神の御使みつかいと呼び心酔しているのを憂い、その方があまたの魔物を屠ったことから、その方を魔女だと断定し処罰を与えることにしたのは余である。余以外の者の命は救ってほしい。心から願う」と言って教会の偉いさんが跪いた。


「教皇様、魔女に膝を屈してはなりません。私どももご一緒に殉教いたします」とごく一部の人たちが言った。残りの人たちは教皇がすべての責任者で自分は処刑されるようなことはしていない」と叫んでいる。


 君たち、教皇様に感謝くらい言ったら良いのにと思った。私の中で教皇様と教皇様と一緒に殉教すると言った人たちは助けることにした。残りは勝手にすれば良い。と思って虫かごの鍵というか横棒を外そうとしたら、私の指が弾かれた。ディアブロさんのマジ怒りを感じてしまった。



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