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長官捕獲計画その4

「ウエルテル、バイエルンの部隊がまた襲ってくるかもしれない」


「私がウエストランドでの彼らの非合法活動は認めているので文句が言えない。ああは言ったけど、実際にレクターは応援の人手は出してくれたから。一度は目をつぶらないといけないと思うし」


「エマ、ロ国の潜入チームを全員を聖女国に連れて行くのは今は無理なので、長官とルイスさんを聖女国に、残りの人たちはウエストランドで預かってもらうしかないと思うよ」


「ドラちゃんに三人乗ってもらって、長官さんはロープでぶら下げる?」


「ルイスさんとエマがヴァッサで飛んで、長官を含めてドラゴンに乗るのが良いと僕は思うよ」


「ウエルテルって人道的なんだ」


 カバラさんにお願いして一旦ロ国の人たちを牢屋に入れてもらった。バイエルンの部隊が襲ってきたら、無駄な抵抗はしないで、牢番の人には逃げてもらうようにともお願いしておいた。


 聖女国でロ国の人の受け入れ準備ができたら聖女国に連れて行く。それまでの間の経費は聖女国で持つので遠慮なく請求してほしいともお願いした。



「ルイスさん、空を飛んでいるのだけれど、怖くはないかしら」


「大丈夫です。私、高いところが大好きですから」


 ドラちゃんに乗った長官さんはドラちゃんを見た瞬間に意識がなくなったので、別にロープで吊り下げながら運んでも良かったのにと思ってしまった。



「エマさんの、この魔術はどんな数式で構成されているのですか?」


「私たちの国の魔術、魔法は神への祈りによって起こしているので、数学は関係ないの」


「信仰心の有無で、魔法が、魔術が使えるか、使えないかが決まるわけでは」


「そうなんですか。私たちの魔術は世界を構成する数式を意思の力で一部改変して魔術を起こしています。父はそれを事象改変と呼んでいました」


 事象改変って何? まったく理解できない。私は元々バカなんだからもっと勉強しなければ。魔法にばかり頼っていてはいけないと思う。もう少しアカデメイアで勉強しなくては。それに未だに仮医師免許だもの。学部長から正式の医師免許を貰いたい。


 聖女国からアカデメイアに帰る途中王城に寄って、ルイスさんは賢者レヴィ様に預けることにした。ルイスさんにとっても嬉しいことだと思う。


 ルイスさんが王宮で暮らす上で、やはり爵位がないと何かとまずいかも、「ルイスさん、申し訳ないのだけど、王宮でこれからルイスさんは生活をするので男爵の位を授けておきます」


「はい?」


「お給料は、研究成果の出来高払いで、固定給が良ければいつでも言ってくれれば、あんまりは出せないけど」


「そんな高待遇で良いのですか?」


「お休みとかはよく飛ぶのでごめんなさい」


「それは良いのですが」


「衣食住は保証するのでそこだけは安心してね」


「はい、ありがとうございます」となんとなく意味がわからないという雰囲気の言葉だった。


「エマさん、私って犯罪者だと思うのですが」


「気にしないで、私にはなんの実害もなかったから」


「そういう事ではなく」


「良いの!」


「はい、そうなんですか」


「細かいことを言うと色々あるのはわかっているけど、あなたはやるべきことをやっただけだから、これからの事を考えてくださいね」


「承知しました」



 聖女国に到着した。長官さんは相変わらず気を失ったまま。貴族用の牢屋に入ってもらった。


 ダイキチさんがルイスさんを見て一言「美少年だ」ミーアさんも一言「私の部下にお願いします」


「はい、近い将来、ルイスさんにはミーアさんの部下になってもらう予定です」


「聖女様、近い将来とは具体的にいつでしょうか?」


「ミーアさん、ルイスさんには会ってもらいたい人がいるので、その結果次第なの。今は、はっきりとは言えませんが、必ずミーアさんの部下にはなります」


「ありがとうございます。聖女様」とミーアさんが喜んでいる。なんだかんだ言っても美少年は得だよね。



「聖女様、貴族用の牢屋に入れた長官なる者の尋問ですが、自白剤の使用の許可をお願いします」自白剤は訓練がされた人が相手の場合、下手をすると致死量まで使ってしまう可能性も高いから。悩む。


 第一何を尋問したら良いのかが、今のところ不明だし。スコット大使の知りたいことだと取引の材料になるかも。


「今は許可できません。通常の取り調べで、拷問はなしでお願いします」

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