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エマ、世界の破壊者になる

「エマ、話がある」


「何ですか? 改まって。青い小鳥さん」


「今、エマは世界の破壊者になるかどうかの岐路に立っている」


「何ですか突然変なことを言い出して」


「これまで、ユータリアは文明の遅れた国だと思われてきた。それが今回の事件で周辺国から非常に危険な国だと認識されたのはわかっているだろうか?」


「いえ、そんなに大変なことをした覚えがありませんけど」


「ドラゴンの火炎であっという間に軍艦一隻を沈没させる、巨大な火球を飛ばせる人間がいる。銃で撃っても何ともない人間がいる国は脅威ではないと言い切れるだろうか?」


「そうですね。でも所詮一人ですから、脅威と言えるかどうかですよ」


「わかってないようだな、エマがドラゴンを伴ってに世界を巡り、主要な街を焼け野原にできる」


「そんな時間の無駄はしません。私、そこまで暇ではありませんから」


「さて、各国の指導者はどう思うだろうね。空からの攻撃はどの国も防ぎようがないのだけれど」


「エマに従うか。国とともに滅びるとかとか思わないだろうか?」


「私が世界を統一して女王になる道が開かれた訳ですか? でも、私が世界を統一して女王になれば世界の破壊者にはならないはずですよね」


「エマが世界を統治できるとは私には思えない」


「私もできるとは言えません」


「つもり、エマが女王になれば世界は混乱する」


「そうなるかもしれませんね」


「世界は大混乱している上にキョムが現れたら、世界が終わると思わないかね」


「思います。それって大変なことではないですか。私に女王なんて無理です。元々庭師志望なんですから」


「第一、私にとって世界というのは、ヒノモトの国とドワーフ王国とウエストランドとエルフの里くらいしか知らないのですから。メイ国ってどこにあるのかも知りません」


「私もそうですが、ユートリアの人って他の国を知らなすぎます」


「ユータリアには、魔法があったのと元々豊かな国だったから。ヒノモト程度としか交流しなかった。そのヒノモトでもユータリア以上に他国のことは知っていた。でもユートリアには伝えなかった。正確にいうとユートリアはヒノモトに尋ねなかった」


「ユートリアは現状維持が最優先でしたから」


「その魔法にしてもエミル様からのギフトゆえにエミル信徒にしか使えない」


「あのう王族のみなさんは?」


「天界の神々をずっと信仰していたので、ほとんど使えない」


「でも、王家支持派の貴族も魔法が使える人がいましたよ」


「隠れエミル信徒だね。ホーエル・バッハと同じだよ」


「バイエルン家は元々敬虔なエミル信仰の王族であったものが、傍系王族の裏切り、今の王家だね、バイエルン家として公爵家に落とされた。バイエルンの教会の神像の内部にはエミル様の像が隠されている。だからどの貴族よりも魔力量が多い」



「私が女王になると、世界は大混乱になる。私はどうしたら良いわけですか?」


「私がエマの体を乗っ取って、世界のバランスを保つ」


「私がこの世界からいなくなれば、すべて丸く収まるわけですか。私ってなんなんでしょう!」


「私は、エマの今回の頑張りをとても評価している。だからエマには学んでほしいと思っている」


「私に何を学べと?」


「世界のことわりを学んでエマの力で世界のバランスをとってほしい」


「言い忘れるところだった。エマが、メイの軍人に自分を銃で撃たせた時、水の精霊も風も精霊も土の精霊が激怒して、メイ国の軍艦すべてを破壊しようとした」


「まさか、まったくそんな感じはしませんでしたよ」


「私が精霊の王の権能を使ってすべての精霊の動きを止めた。お陰様で水、風、土の精霊が未だに一言も私にだけ話しかけてくれない」



「ごご、ごめんなさい。私の考えなしの行動で迷惑をかけてしまって」私って本当にポンコツだから、青い小鳥さんに後は任せて消えた方が良いかもしれない。ハアー。



「エマには森の賢者レヴィの元で学んでほしいと思っている。それでも尚エマが世界の破壊者になってしまうようであれば、私はエマの体を乗っ取って食い止める」


「森の賢者様はどちらにいらっしゃるのでしょうか?」


「森の賢者は、迷いの森のどこかにいる。賢者がエマに会いたければ、賢者からやってくる」


「賢者様が私に会いたくなければ?」


「絶対に会えない」


「迷いの森にとにかく行くしかないですね」



 私は迷いの森を適当に歩いている。賢者様から会いにきてくれないと会えない。来てくれるだろうか?


 ここって畑じゃないの。迷いの森で畑作りですか? エルフさんたちは畑作りとかしなかったはず。これは人種の畑だろうか? でも作物が植えられていない。日当たりも良いし、地味も超えている。もったいない。ここなら良い作物ができるのに。


 おじいさんが水桶を担いで畑にやってきた。


「珍しいね女の子が迷いの森にいるなんて、出口がわからないのなら送ってあげるよ」


「ただその前に、水汲みと水撒きを手伝ってくれないかね? 腰が痛くてね」


「私の将来の夢は農家ですから、喜んでお手伝いします」

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