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学校対抗戦その2

 私が味方に放ったエアーカッターのお陰で後ろから攻撃はなくなったけれど、相手方の標的は私だけ。そこで、そっちがその気ならと、数十個のエアーカッターを私の回りをブンブン飛ばしながら相手陣地にゆっくり入って行く。気持ちが良い。無双している私。こう言うのを夢見てたの。


 敵方の男の子が、これは私以外が受けたら死ぬなって思うファイアボルトを撃って来たので、威力強めのエアーカッターを撃ったら、監視員が飛び出して来てルール違反だと騒ぎ出した。そうルール違反と言うのはこの程度のファイアボルトですとどデカい火球を監視員の目の前に出してやって「母上の指示ですか? 良ければここで暴発させますけど」「やめろ、やめろ、やめてください」「バイエルン家の人間を舐めてます?」「助けて、端金で命は落としたくない」「今すぐ競技場からいなくなるのであれば、何もしません」


 監視員は職場放棄をして競技場を走り去った。周囲には小さな火球を手の上に乗せた女の子に監視員さんが話し掛けていたら、突然監視員が競技場から走り出した様にしか見えなかったと思う。


 監視員さんが逃げ出したら相手の学校はリザインした。1回戦は無事突破。しかし2回戦は不戦敗。我が校の代表選手が競技場外に出ていて、2回戦の集合時間までに集まらなかったと言う締まらない理由で。選手たちは試合をサボって周辺の屋台で買い食いをしていたらしい。競技終了後、校長から叱責され、幾人かは懲罰室に入れられていた。


 ミカサの短距離走は見事なミカサのスタートダッシュ。周囲の様子を見てやや減速して2位で予選通過。本選でも相変わらず見事なスタートダッシュをして中盤でやや減速し、後半追い上げて2位で入賞していた。ミカサも大変だなって思ってしまった。これって接待何とか言うやつだと思った。


 私が観客席に座っていると何本か槍が降って来た。マジックアローの競技では魔法の矢が数本飛んできた。私の隣ではミカサが面白そうに笑っていた。


「ヤル気がない攻撃だね。言われたのでやりましたみたいなアリバイ作りのよう」

「すべてシールドで弾かれています」

「こんな攻撃ではシールドの強度も測定出来ないよ」


「やはり、本番は最終日の長距離走で思う存分仕掛けて来る、落石、穴に落ちたら槍で全身滅多刺しと言う定番メニューだろうね」

「そんなメニューはいりません」


「シールドと落下防止のために浮遊魔法も重ねがけしておいた方が良いだろう。長距離走の場合、浮かんでいるだけならルール上問題はない。飛ぶと失格になるので注意して」


 私として失格でも良いのだけれど、校長からあれこれ言われる時間を考えると、ちゃんと走った方が得だと計算してしまった。


 他の選手を我が家のトラブルに巻き込まないように十分注意して走りたい、コース周辺はミカサの配下の人が見張ってくれる、見つけたら排除してくれるそうなので、多少安心かも。


 長距離走の選手が競技場に出て来た、一校に5人づつなので25人で走るのだけど、全員が170センチメートルはありそう。その中に6歳児が走るってあり得ない。コースは往復で40キロメートルで森を抜け山道を走る過酷なレースに6歳児を走らせる校長ってどうかしてるわ。競技開始、私は予定通りの最後尾からの出発になった。観客は大爆笑している。


 競技場を出るとけっこう強い魔法の矢が飛んできたけど、1枚目のシールドは破れなかった。道が二股、指示表示は左だったけど、黒い服の人がさりげなく右を指示したので、右側の道を走った。前には誰もいない。気持ち良く走っていたら崖から落石があった。ウインドミルで綺麗に切断出来たので支障なし。やっと前に走ってる選手を見つけた、魔法のナイフで刺してきたけど、面倒なので風魔法で前方へ吹き飛ばしてあげたのに、失神していた。もったいない。これで最下位は逃れた。山道が急な登り坂になっていてゼイゼイ言いながら数人の選手が走っていたのを追い抜いた。後ろから嘘だろうの合唱が聞こえてとっても心地よい。良い風吹いている。

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