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ドワーフの国滞在

 私はアダマンタイトの鉱石を責任者の人に渡したので、そそくさとドワーフの国を出国しようと思ったのだけれども、どうしても、少しで良いので、滞在したいと、ヴィクター、ウエルテル、マリア、ニコラ、ゆきちゃんまでが訴えるので三日間ドワーフの国に滞在することになった。


 嫌な予感がする。


 宿屋の手配は鉱山局の人がやってくれた。チップだと言われて一人金貨一枚が渡された。


 グレイ君は調べたいことがあるので、単独行動しても良いかとの許可を私に求めて来た。万一トラブルに巻き込まれてグレイ君がこの滞在中の三日の間で自由の身になれなければ、私たちはグレイ君を置いて出国すると言う条件で私は許可を出した。


 ハーベスト准将は私の護衛として、ドワーフの国都を散策。マリア、ニコラにゆきちゃんは私たちについてクズの宝石を買う予定を立てた。


 ヴィクターとウエルテルは鉱山局の職員の人に灯りのことを尋ねたら、発電所とやらに連れってもらえることになった。


 私の願いはただ一つトラブルだけは起こさないで欲しい。それだけだ。


 ドワーフの市場に来ている。私とハーベスト准将は見学で、女子三人はお買い物中。ゆきちゃんが露店のおじさんと値引きあるいはオマケを付けさえると言う特技を披露中だったりする。


 あれ、後ろが騒がしいなと思ったら女子三人がドワーフの男の子にナンパされていた。マリアもニコラもゆきちゃんの後ろに隠れている。


「君たちっていくつかな?」とゆきちゃんが尋ねた。


「いくつに見える」とウザい返しをしている。この男の子たちは慣れてないな。


「そうね、パッと見て十歳ってとこかな」


「そんなわけないだろう、俺たちは百歳だ」


「うわー、見た目と年齢のギャップがひどい!」


「俺たちに喧嘩売ってんのか? 売ってるのなら買うぜ」


「喧嘩って、そんな勝負にはならないよ」そうだよ、灰色熊をぶん投げてしまうゆきちゃんの相手に、この男の子たちが成れるはずがない。


「だったらそこのカフェで俺たちとお茶でも」男の子たちにはゆきちゃんの気持ちが伝わっていない。


「ごめんなさい、見た目がガキで年齢が超年上って対象外なの、別の女の子を探してね」


 男の子の一人が無謀にもゆきちゃんの腕に触ってしまった。男の子を助けなければ。遅かった。男の子はハルカ空中に飛ばされて見えなくなった。


 一分後男の子が落ちて来たのでエアークッションで受け止めた。

「俺は天国に行って来た」とその子は一言言ってから気を失った。


 私はゆみちゃん他二名を引っ張って現場から逃げ出した。ハーベスト准将は追って来られないように念のため煙幕をはっていた。


 もう一組の人たちは、トラブルは起こさなかったものも案内した人を質問責めにしたみたい。


 光はある種の金属に「電流」を流すと光が発生する、「電子」が当たると発光する物質を容器に封じ込めてそこに電流を流すと光を発するとか、ヴィクターとウエルテルは私には理解出来ないことを興奮ぎみに話していた。


 一番心配なグレイ君は宿舎に戻って来ていなかった。おそらく出発の日まで帰って来ないと思う。


 夕食に出かけたいのだが、「みなさん、聞いてください。昼間のナンパの件もあるので、みんなにはドワーフさんが巡礼する時に着るフード付きコートを暑いですが、トラブル防止のために着て貰います」


「ヴィクターとウエルテルは電気の話は宿舎に戻ってから話してください、目立ちたくありません」


「マリア、ニコラ、ゆきちゃんは可愛いものを見つけたら、まずは私に言いに来てください、勝手に買いに行かないように」


 ドワーフの人たちってお肉しか食べないのかと言うくらいお店には肉料理しかない。選べるのは豚肉か牛肉の二種類だけだし。


 お店に入ったら酒精の高いお酒しか置いていないから、匂いだけで酔ってしまいそう。


 男の子たちもお肉の量を見ただけで腰が引けているし、四人分で十分だよって私にこっそり言って来た。


「ゆきちゃんがオーダーを取りに来た人に人数分のお肉を注文して、ワインも頼んでいた」


「ゆきちゃん、大丈夫かな私はワインは飲めないし、マリアもニコラも既にお酒の匂いでグッタリしてるし」


「エマ様、おそらく足りないと思うので私の給金の前借りをお願いします」


「前借りしなくても、あなたの預金から渡すから良いのだけど、残すのはもったいないですから」


「残すなんてあり得ません」とゆきちゃんがキッパリ言った。

 

 

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