第86話 開幕! ロリコン撲滅隊VSロリコン擁護協会
■隆臣
ジョーカーが強すぎる。
ガイスト能力だけでも十分強いのに、大魔法で時間も操れるなんて、マジでチートだよな。
最後らへんはノールックで対戦相手をボコボコにしてたし。
見た目は普通の小さな女の子だけど、実は最強の女の子。人は見た目に寄らないな。
■凛
決闘は一瞬でわたしたちが勝利し、リーゼントさんたちの680ポイントが移動してきた。
これでわたしたちのポイントは、元の1650ポイント+移動してきた680ポイント+勝利ポイントの100ポイントで、合計2430ポイントになったよ。
よしっ! それじゃあ1秒でも早く白組に変更しに行こうっ!
わたしたち4人は中等部校舎内にある大会本部にやってきた。
ここで所定の手続きをすれば、わたしたちは白組になることができる。
わたしたちがタブレットで手続きを行っていると、
「デュフフ! ぎみたちみロリ組デュフね?」
鳥肌が立つような気持ち悪い声が後ろから聞こえてきた。
振り返ってみると、そこにはメガネを掛けた不潔な高等部の男子生徒が立っていた。
そう、学園の四皇が一人、ガチロリコン板橋さんだ。ガチロリコンキモ橋さん!
できれば無視したいが、そうするとしつこく絡まれそうなので、
「そうですが」
と、できるだけ短く答えて手続きを進める。
「今色を変えようとしているんデュフか?」
「そうですが」
「ダメだよッ! ロリはみロリって決まってるデュフから!」
『え?』
わたしたち4人は同時に首を傾げた。
「みロリ色はロリ色だからデュフッ!」
「意味がわかりません」
「わたしはロリじゃないわ! だって370歳は超えてるもんっ」
「きもっ!」
「お姉ちゃん、ロリってなぁに?」
わたし、ジョーカー、七海ちゃん、四谷ちゃんは同時にそう言った。
「意味なんてないデュフ! それにロリババァもオイラは好きデュフッ! ロリにきもいって言われると、オイラとっても嬉しいデュフ! ロリって言葉を知らないロリってチョーかわいいデュフッ!」
同時に言ったはずなのに、どうして全員がなんて言ったかわかるの? 聖徳太子なの?
「どうしてって! そりゃあこのオイラが、ロリの発する一言一句を聞き逃すわけないデュフ! ナメるなデュフ!」
急にキレだした! しかもわたしの心の声が聞かれてる!? こわいよきもいよ消えてほしいよっ!
「これ以上ここにいたら、わたしたち死んじゃうわっ! はやくここから逃げるわよ!」
ジョーカーが言うと、
「今ロリコン撲滅隊を呼んだから、それまではあたしがなんとかする!」
本部の受付さんがそう言って、ガチロリコン板橋さんの前に立ち塞がってくれた。
たしかこの受付さんの名前は石沼奏さん。MMAの人で、ロザリオ事件でお世話になった神代アリスさんと同じ班に所属しているんだとか。
頼れそうだから頼らせてもらおう。
わたしたち4人はぎゅっと集まって奏さんの背中に隠れる。
「そこをどくデュフ!」
「どかないよ! わたしはこの子たちを守るんだからっ!」
「うるせークソババァ! 中等部以上は全員ババァなんだよクソババァ! ロリたちに近づくなクソババァ! ロリたちが穢れちまうだろくそババァ! ついでにオイラの目も腐っちまうだろクソババァ! さっさとそこから失せろクソババァッ!」
「そんなこと言っていられるのも今のうちだよ。すぐに撲滅隊が来るよ」
あんなにババァって言われたのに、すっごく冷静。これがMMAか……やっぱりすごい! かっこいいっ! 尊敬しちゃう!
「あンらァん? やっぱり板さんだったのねぇぇえええんッ!」
野太い男の人の声が聞こえてきた。この声は……、
『ゲイーズ青戸っ!』
学園の四皇の一人で、全国高校生ボディビル選手権大会二連覇の実力者でありながら、わたしたちロリの強い味方であるロリコン撲滅隊の隊長を務めるゲイーズ青戸さんだ。
ロリコンさんが最も嫌うのはゲイである。そのため風紀委員の下部組織のロリコン撲滅隊の隊長に、学園最強のゲイであるゲイーズ青戸さんを抜擢しているのだ。ロリコンさんのロリコン行動の抑止力として。
ロリコン撲滅隊の構成員はボディービル部の他にも、ロリコンを悪として許さない生徒や、ロリコン被害にあったロリたちもいる。
「ちっ! 厄介なのが来やがったデュフ。ここは一旦引くデュフよ!」
ガチロリコン板橋さんが虚空に叫ぶと、どこかに隠れていたロリコンさんたちがぞろぞろと現れた。
もしかしてわたしたちのことをずっと見てたの!? うぅ、きもい〜。
「引かせはしないわよォオオん! 今日という日はッ! あんたたちロリコン擁護協会をぶっ潰してやるんだからッ!」
こうしてロリコン撲滅隊VSロリコン擁護協会の仁義なき戦いが始まった。
To be continued!⇒
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