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第85話 無敵の魔法

■ 隆臣


 そんなこんなで体育祭の1日目が終わった。

 めちゃめちゃ疲れた。これがあと4日も続くのか……どうなることやら。でも結構楽しかった。明日も楽しみだ。




 体育祭2日目。この日は雲ひとつない快晴だ。気分がいい。

 午前中はバスケとサッカーとテニスをして、バスケとサッカーはなんとか勝てたが、テニスはテニス部のやつにボコボコにされた。

 午後は、凛たちがきのう高等部のやつらに決闘を挑まれたらしいから、それを観戦することにした。

 無敵のジョーカーと未来が見える凛に加え、四皇爺さん目白の弟子である七海と四谷もいる。負けるはずがない。


■凛


 午前中はハンドボールやダーツ、競技射撃をして、ぜーんぶ勝ったよっ! しかもダーツと競技射撃は下克上でっ!

 お昼ご飯を食べ、わたしはジョーカー、七海ちゃん、四谷ちゃんとともに第二野外競技場へ向かった。

 そう、きのうのパン食い競走で、高等部のお兄さんお姉さんから決闘を挑まれたからだ。

 第二野外競技場にはそれなりに観戦者がいた。その中にはもちろん隆臣たちもいる。手を振ると、隆臣はにこやかに手を振り返してくれた。

 前の競技者たちの決闘が終わり、ついにわたしたちの番がやってきた。


「よく来たなァ!」


「きのうの宣言通り、ボコボコにしてやるわっ!」


 リーゼントさんにジョーカーは強気に答える。

 今まで貯めてきたポイントを全部賭けた戦い。絶対に負けられないっ!

 リーゼントさんチームは合計で680ポイント。私たちのチームは1650ポイントで学園1位だから、それに比べたら大したことないけど、そこそこポイントを集めてくれていたみたい。

 ポイント全部奪ってはやく2000ポイントまでいかなきゃっ! みんなで白組になるんだっ!


「言っておくが、俺たちの能力はかなり強いぜ?」


「あらそう?」


「泣いて謝るなら、今ならまだ許してやる」


「果たして泣くのはどっちかしら? ふふっ」


 ジョーカーは楽しそうに笑っている。ジョーカーにはサディスティックな一面があるよね。


 ――ゴーン!


 ゴングが鳴り、決闘が開始された。


「ではジョーカーちゃん。ぱぱっとやっちゃってください」


「ほんとにいいの? 一瞬で終わっちゃうけど」


 七海ちゃんに対して、ジョーカーはロザリオをもてあそびながら尋ねた。

 七海ちゃんが返答する暇もなく、


「うぉぉおおお!」


 リーゼントさんが襲いかかってきた。


「はぁ」


 ジョーカーがため息をついた瞬間、


「え?」


 リーゼントさんが最初にいた位置に戻っていた。そしてマヌケな声を出している。

 リーゼントさんだけでなく、リーゼントさんのスクワッドメンバーや観客のみなさんまで不思議そうな表情をしている。

 でもわたしたちにはジョーカーが今何をしたのかわかる。

 シュヴァルツのロザリオで大魔法を導き時間を止め、その隙に万有引力操作でリーゼントさんの位置を元に戻したのだろう。


「な、何をしたッ!」


「さぁ? なんでしょう?」


 ジョーカーは挑戦的な表情で言い、


「ほら、かかってきなさい? ふふふ」


 不気味に笑った。


「こんにゃろ〜ッ! 行くぞお前らッ! くっひひ!」


「うっはは!」


「はっはは!」


 今度は3人で襲いかかってきた。


「ぐへッ!」


「ごへッ!」


「なんでッ!?」


 次の瞬間には、3人ともひっくり返った状態でわたしたちの後ろに倒れていた。

 「うぉー!」と観客は歓声を上げている。

 何が起こっているかわからなくても、なんとなくすごいことはわかるようだ。


「本当にジョーカーちゃんの魔法は素晴らしいですわねっ!」


 七海ちゃんはそう言い、四谷ちゃんもこくこく頷いている。


「ありがと。でもこの大魔法の唯一の欠点は、決定的な攻撃手段がないこと。攻撃はガイスト能力を使わないといけないのよ」


「それでも時間を止められるだけで十分すごいですわ!」


「時間を止めている間に、男の子のお着替えとか見たことある?」


 褒め称える七海ちゃんに対し、四谷ちゃんは急に変なことを言い出した。


「エリオットにしかそんなことしたことないわよっ! ……あ」


「ふーん」


 四谷ちゃんの目が細くなった。ジョーカーって本当にエリオットさんのことが好きなんだね。でもちょっとえっちです。


「今のなしっ! 今の撤回っ!」


 ジョーカーは涙目で顔を赤くし、あわあわしながら叫んだ。

 七海ちゃんと四谷ちゃんは顔を見合わせてニコニコしている。お願いだから何か言ってあげて!

 ジョーカーがガイスト能力を暴走させちゃってるから! リーゼントさんたちが空中であっち行ったりこっち行ったりしてヤバい状態だから!


「大丈夫だよ、ジョーカー! 女の子は男の子が気になって当然だよっ」


 と、わたしはジョーカーをフォローしてあげる。


「わたしが気になるのはエリオットだけっ! 他の男の子にはまったく興味ないからっ! だってわたしはエリオットのお嫁さんだからぁ!」




 結局ジョーカーがガイスト能力を暴走させたことにより、リーゼントさんたちは気絶し、わたしたちが完全に勝利した。



 To be continued!⇒

ご閲覧ありがとうございます!

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