第62話 ミンチ事件
この話には非常にグロテスクな表現が含まれています。ご注意ください。
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「く、来るなッ! やめてくれぇえ! 死にたくぐぬぁぁあああ!」
叫んだ男の手足が四散し、大量の血が盛大に吹き出した。
「ぬへへ〜! たっのしいなぁ〜たのしいなぁ〜」
「派手にいったねぇ! よし、じゃあ次は俺の番だ」
血まみれになった黒ずくめの少女は不気味に笑い、その頭をポンポンしながら黒ずくめの俺は女の前に立つ。
「俺は君みたいに派手には殺せない。だからじっくりジワジワ殺そうと思う」
「うんうん! それもとってもいいね!」
俺の言葉にリゲルはこくこく頷く。
女にナイフを見せつけと、女は鬼気迫る表情で、
「お願い! この子だけは……この子だけは助けて!」
と、懇願してきた。
「さぁどうかな。それはお前次第だ。おまえが俺たちを楽しませてくれたのなら、娘の命だけは助けてやる。だが俺たちが楽しくないと感じた瞬間、お前の前で娘をズッタズタに引き裂いて殺す。いいな?」
女はゆっくり頷いた。
「よーしそれじゃあ早速楽しませてもらおうかー」
そう言って俺はナイフを逆手に持ち、椅子の肘掛に固定された女の手の甲を思い切り突き刺す。
「ッくぅうあぁ!」
「ハハハハハハ! 叫べ叫べ泣き叫べ! いいねいいね骨をガリガリ削るこの感覚! ほら見てみろよテメェーの娘をよォ! テメェーが愉快に死んでくれるのを目を輝かせながら楽しみに待っていやがるぞ! フハハ!」
俺は手の甲に突き刺したナイフをグリグリと回しながら言い、
「ぬはははは!」
それに続いてリゲルも声高に笑った。
「さ〜て、次はどっしよっかなァ……」
俺はナイフを抜き取り、鼻歌交じりに考え始めた。少しして、俺は女の腹にナイフをかざす。
「ジワジワ殺そうと思ったけど、めんどくさくなってきたし、もーやーめた。リゲル、頼んだ」
「りょうかーい!」
リゲルがそう返事をした次の瞬間、女の腹がミンチになった。
「ぬはは! ってあれ? ……気絶早くない? まだミンチにしただけなのに。つまんな」
リゲルは低い声で言い、目を細めて女を見下ろす。
「気絶じゃなくてショック死したんじゃないの? 痛みで。知らんけど」
俺はミンチになった女の腹を覗き込み、
「壮観だ! もう臓器の判別がつかないくらいグチャグチャになってる!」
「ぬへへ〜! すっごいでしょ〜!」
リゲルは嬉しそうに笑ったが、すぐに真顔に戻って、
「でもこいつ……つまんなかったね」
「うん、つまらなかった。もっと楽しませて欲しかったよ。リゲル、この2人の処分は君に任せたよ」
「やったー!」
愉快に返事をし、リゲルは自身の能力を使って父と母と思われる2人の男女を切り裂きまくった。もはや目の前にはひき肉しかない。
リゲルが男女を散々に殺すのを見届けた後、俺は1人取り残された少女の元に歩み寄る。
「パパとママ、死んじゃったね〜」
「……」
「どうだった? 楽しかったでしょ〜?」
「……」
恐怖で声が出ない様子だ。つまんな。
「あ、そうだ。ちょっと待っててね」
俺そう言い残してミンチと化した少女の両親の所に戻り、手に持ったナイフでミンチをすくう。
「それどーするつもりぃ?」
「ん? それは見てからのお楽しみさ」
リゲルの質問にニヤつきながら答え、
「これ? 何かわかるかな?」
「……」
「君のパパとママのミンチだよ」
「……」
少女は何も言わず、頬に涙を伝わせている。
「君のパパとママは非常につまらなかった。だからその代わりに、君が俺たちを楽しませてね」
俺は三日月のように口角を釣り上げ、
「はいあーん」
父と母のミンチを少女の口に運んだ。
当然少女は口を線にして開こうとしないのだが、俺は少女のあごの骨を外して無理やり口を開かせ、ナイフの上に乗るミンチを少女の口の中に運び、ペットボトルの水を流し込んで飲み込ませた。
「けほっ……けほけほっ!」
少女はむせ返る。
「どうだい? 美味しいかい? 君のお父さんとお母さん」
「うぅ……おェェ」
すぐに胃の中のミンチを逆流させる。
「あ〜あ汚いなぁ。まったく……」
俺は呆れ顔で、
「ちゃんと食べないと、君のパパとママに悪いじゃないか」
と言いながら少女の拘束を解き、少女の腕を引っ張ってミンチの前まで連れていった。
「何日かかってもいいけど、君がこのミンチを全部食べられたら、ここから解放してあげるからね」
「…………」
「水はそこに水道があるから、いくらでも飲んでいいよ。トイレもいつでも使ってもいいからね。さぁ、早く帰りたいなら早く食べるんだよ」
「……」
少女はペタンと座り込み、床に散らばる父と母の肉塊を手にすくったが、食べる気にはなれなかったようで、少女はそれを再び床に戻す。
「……食べないの? 俺たちはお前に楽しませて欲しいって言ったよね? どうして約束守ってくれないの? おい! 聞いてんのか!?」
すでに心が崩壊しきった少女に、俺の声はもう届かない。
「こいつ……壊れちまったのか?」
「え〜せっかく面白いこと思いついたのに〜」
俺とリゲルは心底つまらなそうにそう言った。
「ほらいいから食えっつってんだろ!」
俺は手でミンチをすくい、少女の口にねじこんで水を口に流し込み、無理やり飲み込ませ、
「はーい、今度は吐き出させないために〜」
リゲルは少女の小さな口にナイフを挿入した。
「これでフタをしちゃお〜う!」
「わ〜おっ!」
その光景を見ていた俺は感嘆の声をあげる。
「へへへ! もしかしてワタシって天才っ!?」
「ああ、君は超絶天才だよ」
「ぬへへ〜っ」
リゲルは嬉しそうに薄い胸を張った。
「ま、東大医学部卒業して医師になったアンタに比べちゃあまだまだだけどね」
「俺はただ思考が柔軟なだけさ」
相棒を尻目にかけつつ、俺は少女の口にミンチを詰め込み、水で飲み込ませ、ナイフでフタをすることを繰り返していった。
その度に少女の口内や喉の奥がナイフにより傷つき、口蓋垂は3回目でちぎれ、舌も5、6回目くらいちぎれてしまった。
そのうち少女がミンチを吐き出すことはなくなった。
◾???
3時間と少しが経過した。
ミンチの4分の1ほどが少女のお腹の中に入ったところで、リゲルはある異変に気づく。
「ねえねえ、この子もう死んでない?」
「え?」
開かれたままのまぶたの奥にある、輝きの消えた瞳に、俺はペンライトを取り出して光を当てた。
「あ、ほんとだ。さっきから全然飲み込んでくれなかったんだけど、もう死んでたんだね」
俺は少女に瞳孔反応がないことを確認し、少女がすでに死んでいたと断定した。
「うわ〜お腹ぽっこりしてるよ〜」
「あ〜こりゃあもうそろそろ胃が破裂するね〜」
「え!? 胃って破裂するのぉ?」
「するよ〜風船みたいに」
「へ〜見てみた〜い!」
「と言われてもねぇ……もうこの子死んじゃってるし、やるなら別の子で試してみない? もっと幼い子だったら少しの量で胃を破裂させられるかも!」
「むぅ〜今すぐ見たかったのにぃ〜! でもアンタがそう言うなら、また今度でいいや」
「了解。はぁー今日は疲れたね。帰って風呂入って寝よっか」
「うん! あ、その前にこの子もミンチにしとくね」
「おっけいよろしく〜」
To be continued!⇒
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