第262話 自己紹介
■ウタハ
ぐるぐるメガネボサボサ頭お姉さんは私とユーの対面に座った。
それを見て派手っ派手の赤髪お兄さんは、
「俺はGALLONN。EUサーバー経由で統合サーバーに接続している。レベルは164。そいつの兄だ」
自己紹介をしているが名前も経由サーバーもレベルも、全部頭上を見ればわかるんだけどね。まあ形式的にやるべきだよね。こういうのは。
そして隣に座る女の子を指さして兄発言。やっぱり赤髪さんと白髪ちゃんは兄妹だったんだ。ロリコンじゃなくて安心した。
「YARRD。お兄さまと同じくEUサーバーから接続してる。レベルは183」
妹のヤードちゃんの方がレベルが高いっていう。ガロン兄さまはよわっちぃなあ! そしてEU鯖なのにガロンとヤードなのはちょっとおもしろい。
私とユーは受験生でこっちの世界に来ても勉強してるから、レベルが全然上がらないとはいえ、2人とも私たちよりも断然レベルが高い。すごいなぁ。
「私はユーっていいます。日本サーバー経由です。レベルは31なんですが、よろしくお願いします」
ユー……輝美と私は幼稚園からの親友。まるで双子みたいに仲良し。どんなときでも何をするときもいっつも一緒。家もお隣さん。
「私はウタハです。私も日本サーバー経由で、31レベです。よろしくお願いします」
私も自己紹介を済ませる。
次はくるくるボサボサ白衣お姉さんの番。
「ワタシはドクターツバキサーティーファイブでぇ〜っす! 日本鯖で、レベルは763でッすッ! よろおねよろおね〜ッ!」
え? このお姉さん今なんて言った? レベル763!? ってことはこのゲームのラスボスのオーディンを倒したってこと!? ヤ、ヤバすぎる!
「名前とレベルを隠していたのは、そうやってレベルを自慢するためか? このクソッタレ」
赤髪さんもといガロンさんは不機嫌そうに言った。
「あ、これ? アルヴヘイム諜報作戦のときのままだったみたい。自慢のつもりなんて毛頭ナッシングよ」
アルヴヘイム諜報作戦? なんだろそれ。この人はスパイなの?
「アルヴヘイム諜報作戦だと? お前一体ナニモンだ?」
「見る? ワタシの名前」
ガロンさんに正体を聞かれてサーティーファイブさんは虚空を指でなぞって設定を変え、名前とレベルを表示してくれた。
サーティーファイブさんの頭上にはCIRCUS―Dr.TBK35と表示されていた。
CIRCUS……覇王ジョーカーさんのギルドの人だ!
To be continued!⇒
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