第260話 lolisgottoのカリスマ性
■ウタハ
「そんなに驚くことではない。ロリの真髄に到達し、覇王ジョーカーのファンクラブの創設者でもあるこの俺が、ジョーカー神グッズを買い尽くすのは当然のことであろう。そして……」
lolisgottoさんはそう言って、ブロマイドの束を手に取り思いっきり上に向かってばらまいた。ブロマイドだけでなく、ポスター、タペストリー、キーホールダーも同様にした。
「その商品を無課金勢に与えるのも当然のことだ」
lolisgottoさんの言葉を聞いて財布をひっくり返して泣いていたおじさんたちの顔がパァっと明るくなり、落ちてきた覇王ジョーカーさんのグッズを大切そうにキャッチした。エルフおばさんのところで押し合い圧し合いしていたユーやおじさんたちもそれをやめて空から降ってくるブロマイドに夢中だ。
「こ、これは……待ちに待ってた本物のジョーカー神のブロマイドだ! ついに手に入れたぞ!」
「ずっと欲しかったんだ。これがずっと欲しかったんだぁああ!」
「ああかわいい! ジョーカーちゃんかわいいよぉおお!」
「我が女神ぃいいい!」
人間のおじさん、巨人のおじさん、ドワーフのおじさん、オークのおじさんなど、さまざまな種族のおじさんたちが泣いて喜んでいる。そんなに欲しかったんだね。ジョーカーさんのブロマイドが。
それを見てlolisgottoさんは無言で立ち去ろうとした。
「待ってくれ!」
1人のおじさんがlolisgottoさんを呼び止める。
「俺を働かせてくれ! あんたのところで!」
「俺も頼む! お頭!」
「あんたの下で働きてぇ!」
「頼むよぉ!」
それに続いておじさんたち次々とがlolisgottoさんに声をかけ始めた。
lolisgottoさんは振り返り、
「ロリの真髄まで到達させてやる。着いてこい、愚かな不労者ども」
と言って再び歩き始めた。
ロリコン不労者おじさんたちは少年に戻ったかのように無邪気に笑ってlolisgottoさんの後を追いかける。
覇王【LOLCo.】lolisgottoさん、不思議な……嵐のような人だったなぁ。人間おじさん店主もエルフおばさん店主も口をポカンと開けたまま立ち尽くしているよ。
ただのロリコンだと思ってたけど、この人にはあのLOL商会を創設してまとめあげるだけのカリスマ性があるんだ。
「見て見てウタハ! ブロマイド2枚とポスターも手に入れちゃった! きゃは〜っ! ジョーカーさまかわいくてかっこいい!」
ユーはすっごく嬉しそう。こんな笑顔なかなかみられないよ。
「よかったね、ユー」
「うんっ! ウタハ、よかったらブロマイド1枚あげる」
ユーは私にジョーカーさんのブロマイドを差し出してきた。
「いいよ。ユーのだし」
「遠慮しないで。持ってるだけでいいことあるよ」
「いいこと?」
なんだろいいことって。幸運値が上がるとか?
「見てて癒される!」
はは、そういうことね。思わず苦笑いしてしまった。でも、せっかくユーがくれるって言うなら……、
「もらっておくね。ありがとう」
私はユーからジョーカーさんのブロマイドを受け取った。
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