表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
212/363

第203話 ヒュービリオン

■隆臣


 マリーンエデンの景観や雰囲気を楽しみながら、爺さん目白の作戦を遂行すべく俺たちは研究所地域へ向かう。

 でもその前に腹ごしらえだ。俺たちは昼食を食べにサイゼリヤに立ち寄った。

 サイゼリヤはアトレマリーンエデン店の内部にあるのだが、なんとアトレは中央駅ビルに隣接したあの斜めのビルだった。

 しかしサイゼリヤはサイゼリヤだった。いつものサイゼリヤだった。と思ってた時期が俺にもありました。

 店員が1人もいないのだ。1人もいないが、何体かの店員はいる。そう、店員は人間ではなくヒューマノイド――ヒュービリオンなのである。

 肌や髪の毛の質感、動き、喋り方どれを取ってもそれがアンドロイドであることを疑ってしまう。人間に紛れ込んでいても見つけ出す方が難しい。まるでかつての名作Detroit Become Humanのアンドロイドのように。

 それほどまでに精巧に作られたヒュービリオンだが、それが確実にヒュービリオンだと見分ける方法が1つだけある。首である。彼らの首には特殊な制御装置が付けられているので、それを見れば人間かヒュービリオンかは一目瞭然だ。

 そして何故ヒュービリオンという名前なのか。それは彼らが10億もの感情サンプルから作られたからである。この感情プログラムはYggdrasillユグドラシルFactorファクターのベータテスト時に採取されたんだとか。だから博士――片瀬かたせ宏光ひろみつさんが初期開発に携わっていたのか。ってことはジョーカーの感情とか魔剣の蔵の感情もサンプリングされている可能性があるってことか。

 そんなヒュービリオンには人間のように感情がある――いや、感情がプログラムされている。なのでヒュービリオンには性格があり、個性がある。しかし自己意思はない。あくまでもアンドロイドなのだから。


■隆臣


 サイゼリヤで食事を済ませ、爺さん目白防衛隊は研究所地域へ向かう。

 「AIと住む街。15年後の世界へようこそ」というキャッチコピーを掲げているだけあって、全てが近未来的だ。

 たとえば信号機。よく見るアレではなく、薄い透明のプレートになっている。このタイプの値段は従来のLEDタイプのおよそ10分の1で、電気代も2分の1だそうだ。かなり安価なので、近いうちに23区内でも導入される予定らしい。

 電柱や電線は全て地面に埋まっていて、地上には信号機や街灯の支柱くらいしか露出していない。その支柱も金属やコンクリート製ではなくカーボンナノチューブ製で、細いわりに強度は高い。

 電柱だけでなくマリーンエデンのほぼすべての建築にカーボンナノチューブが使われている。たしかにねじれたビルとか斜めに建ったビルとか球体型のビルとかを建築するには強度の高い素材が必要だよな。

 しばらく歩いていると少しずつ建物の密度が低くなり、研究地区に突入した。



 To be continued!⇒

ご閲覧ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ