表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
190/363

第183話 次元孔(ディメンションホール)

◾凛


 瞬間、魔剣の蔵さんとガイストの女の子の全身から血が吹き出した。ジョーカーが時を止めてその間に攻撃したのだ。


「くッ!」


「……っ!」


 魔剣の蔵さんとガイストは何が起こったのかわからず、驚愕の表情を浮かべている。作戦成功! 魔剣の蔵さんとガイストに大きな一発を叩き込むことができた!

 ナディアさんのロザリオに体内由来の魔力粒子を供給することにより、内部システムのリミッターが解除され、魔法の効果範囲が大幅に広がる。

 次元孔ディメンションホールはガイストにより形成されたものなので、ナディアさんのロザリオの魔法効果範囲内に次元孔ディメンションホールが発生しようとすると魔法効果範囲外に弾き飛ばされるのだ。

 そして魔剣の蔵さんとガイストが出てきた瞬間、ジョーカーが時を止めてダークエネルギーで魔剣の蔵とガイストを攻撃する。これがエースの考え出した作戦だ。


「なかなかやるねぇ……君たち」


「うぇ〜ん! やっぱとーきょーなんて来るんじゃなかったぁ!」


 魔剣の蔵さんは膝をつき、ガイストは泣きじゃくりながら言った。

 続いてタケミカヅチさんと同化した四谷ちゃんは、魔剣の蔵さんとガイストに青白く光るいかずちを落とす。

 しかしガイストは頭上に次元孔ディメンションホールを形成し、落雷は防がれた。

 するとガイストは目をうるうるさせて、


「もー怒ったぁ! イオに本気を出させるなんていい度胸だなっ! どうなっても知らないからなっ!」


 このガイスト、イオちゃんっていうんだ。名前もかわいいな!

 けどイオちゃんの怒りは恐ろしかった。

 上空に巨大な次元孔ディメンションホールが形成され、3つの超巨大な直方体が落ちてきた。3棟の崩壊済みのビルである。

 中庭に出てきた先発組も含め、わたしたち防衛隊は唖然とした。

 空からビルが降ってくるなんて誰が思うだろうか? 誰も思うはずがない。ビルは地面に建っているものなんだから。

 かなりのスピードで落下してきている。逃げきれない! 圧死される! 誰もが絶望した。

 しかし一瞬のうちに3棟のビルは粉砕される。

 ジョーカーが時間を止めてダークエネルギーでビルを吹き飛ばそうとしたのだ。

 けどさすがのジョーカーでも超巨大質量のビル3棟を破壊することはできたが、完全に吹き飛ばすことはできなかった。


「任せろ」


 七海ちゃんはいつもの声で七海ちゃんらしくない口調でそう言った。七海ちゃんも第八感でシナツヒコさんと同化しているのだ。そのためこのような口調になっている。

 七海ちゃんがビルの破片に両手を翳すと、ビルの破片は全て吹っ飛んでいった。シナツヒコさんの「風」の理によるものだ。圧死は免れた。

 でもわたしの左目は理解不能な未来を捉えていた。

 屋根の上なのにツタに足を拘束されてその場から動けなくなり、そのまま死ぬ未来。どうしても避けられない未来。どうしても死ぬ未来。

 いやだ! 死にたくない! 死にたくないよぅ……。まだやりたいこといっぱいあるのに……もっと隆臣と、一緒にいたいのに……。


 ――ドーンッ!


 空が青白く光る。

 瞬間、痛みもなくわたしの視界は真っ暗になった。



 To be continued!⇒

ご閲覧ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ