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第174話 もう一度チャンスを……

たまには早くに出してみる!

◾玄武


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」


 無我夢中で謝り続けた。許してください許してください許してください許してください許してください許してください……。


「もう一度だけチャンスを与える。次失敗したら……うーん、1週間蠱毒こどく生活なんてどうだ? 小さめの棺桶にお前を縛って入れて、その中にオオスズメバチ、ムカデ、カバキコマチグモ、ドクガ、ヒアリとかをそれぞれ100匹ずつくらいいれて、1週間放置する。無論、三次元世界で行うし、お前が別次元に逃げないように棺桶は九次元世界のアダマンタイトを使用したものにしておくぞ」


 ご主人さまは満面の笑みで語った。ご主人さまはあたしたち下僕で遊ぶとき、いつも心の底から楽しそうに笑う。人が痛がるのを見て笑う。


「わかったらのなら返事をしろォっ!」


「ぐっ!」


 お腹を思いっきり蹴られ、吹き飛ばされた。木に衝突してようやく止まる。

 体中が痛い……。2年ずっと絶え間なく痛い。2年がこんなにも長いと感じたのは初めてだ。もういやだ。痛いのは嫌なのに、怖いのに。あたしは神獣だから死ねない。死にたいのに……死ねない。人間の信仰のせいで、あたしたちは永遠に生かされる。苦しいのに! つらいのに!

 誰か……助けてください助けてください助けてください助けてください助けてください!


「返事はァ?」


 ご主人さまは次元移動であたしの所まで移動してきて、首を思いっきり絞めてきた。


「……は…………ぃ、ゎかり……ま、した」


 必死に声を振り絞った。

 するとご主人さまは首を絞める手をほどき、


「今回は特別に我が手で傷を癒してやる」


 ご主人さまの声とともに、痛いのが徐々に消えていった。きもちいい! 痛くないってきもちいい!

 しばらくして、今まで受けてきた傷が完全治癒される。


「ありがとうございます」


 土下座で感謝の気持ちを伝える。


「ふん。顔はかわいいんだから、もっと従順にはたらけゴミクズ下僕めっ!」


 そう言い残してご主人さまは消えていった。

 かわいい……あたしはかわいい? うれしい。ご主人さま大好きぃ!


◾隆臣


 今日ってヤバくね? そう思ったのは銭湯からみんなで更木荘に帰って、みんなで夕食を取っていたときだ。

 まずは羽田空港旅客機墜落事件。墜落した旅客機から現れた歩く迷惑こと魔剣の蔵と法院反ブラド過激派の幹部。歩く迷惑という二つ名の二つ名は、アリスがMMA内ではそう言われていると聞いたので使ってみただけだ。そしてあの忌々しき赤の剣によるさいたま市岩槻区の霊核保存施設の襲撃。それに誘発されて玄武が完全体で実体化。

 もう色々起こりすぎててよくわからない!



 To be continued!⇒

ご閲覧ありがとうございます!

玄武ちゃん、1週間蠱毒生活になりませんよーに! かわいそう!

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