第168話 玄武の恐るべき作戦
きのうは申し訳ございませんでした!
◾アリス
私の焔の玉と玄武の超巨大つららが衝突。再び雲のような水蒸気とともに激しい衝撃波が発生する。
半径2メートル程度の焔の玉でもなんとかビル級のつららを溶かしきることができる……はずだ。自信はない。
超巨大つららに熱エネルギーを吸収され、焔の玉は少しずつ小さくなってしまうので、それに魔力を注ぎつつ、玄武の「黒」の理の侵食から私の「朱」の理を守り抜かなければならないからだ。
数秒後、私はたった半径2メートルの焔の玉でビルのように巨大なつららを溶かしきることに成功した。
「今のはさすがに危なかったわ……」
「どうしてこれでも死なないの! あたしは完全体であんたは不完全なゴミっ! それに私の方が理の領域は広かった! なのに……なのにっ!」
玄武は瞳をうるうるさせながら言った。悲しんでいるのだろうか? どうして泣いているのか私には理解できない。
「わからないわならないわからない! どうすれば壊れてくれるのっ!? わからないよぅ……」
玄武は頭を抱えて首を大きく振った。情緒が不安定すぎて怖いわね。
「あっ! いいこと思いついちゃったーんっ! けどその前にぃ〜!」
玄武はほっぺたに涙を伝わせたまま急に笑顔になってそう言い、私の背後2メートルに次元移動してきた。
「まずはあんたのその汚い領域を、あたしの神聖な領域で塗りつぶしてあげなきゃ! あんたを盛大に……キレイに殺してあげれないわ!」
そう言ってレイピアも持たずにわたしに突っ込んできた。
「何がしたいのっ!」
私は焔の槍を形成して手に取り、突っ込んできた玄武のお腹に突き刺した。
「ぐっ……」
焔の槍は玄武のお腹を貫き、突進を止めた。
「おバカさんなの?」
玄武のお腹からは大量の血が吹き出し、口からも血を吐き出している。
「へへ……これでっ!」
しかし玄武は笑っていた。
「まさかっ!」
気づいた頃にはもう手遅れだっだ。
「これで……繋がれたっ!」
私と玄武は焔の槍で直接繋がっている。玄武の方が私よりも強い。すなわち私の「朱」の理が玄武の「黒」の理により直接上書きされてしまうということだ。
一瞬のうちに「朱」の理が「黒」の理で上塗りされてしまった。
「やばいっ!」
「もう遅いわよ朱雀っ!」
瞬間、私の体内から無数のつららが飛び出した。
To be continued!⇒
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